レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1ニュース

投稿日: 2011.07.05 00:00
更新日: 2018.02.16 03:21

ピレリ「ピットストップは3〜4回を予想」


2011年 イギリスGP
ピレリ、当初の予定通りのタイヤを投入

2011年7月4日、ミラノ

グランプリ概要:
ピレリのホームレースであるモンツァと同様に、シルバーストンは今季のカレンダーの中でも象徴的な存在のひとつであり、長いストレートと高速コーナーで知られています。昨年の大幅なレイアウト変更に続いて、今年はいくつかの箇所が再舗装され、ピットとパドックエリアも刷新されるなど装いが若干新たになりました。しかしシルバーストンの基本的なサーキット特性は変わっておらず、流れるような高速コーナーの連続で、メカニカルグリップよりも空力グリップが重要となります。

ピレリはプライムとしてPZeroシルバー・ハード・タイヤ、オプションとしてPZeroイエロー・ソフト・タイヤを投入します。これは過去8戦で最も多く使われ、いくつものスリリングなレースを演出してきたタイヤの組み合わせです(このハードとソフトの組み合わせは、開幕からの5戦で採用されてきました)。

F1に参戦する全12チームのうち、8チームがイギリスに拠点を置いていることから、イギリスGPは国家の威信を賭けたレースと言えるでしょう。ピレリもF1のロジスティクス・流通拠点をシルバーストンから約30分のところにあるディドコットに置いています。

1948年に初開催されたシルバーストンは、最新のコース改修によって全長が5.891kmに伸び、ベルギーのスパ・フランコルシャンに次いで2番目に長いサーキットとなりましたが、ここまでの9戦では最長となっています。52周で争われる決勝レースは3回もしくは4回のピットストップが予想されていますが、相変わらずの高速コースの特性と予測の難しいイギリスの天候もあって、ドライバーにとってもタイヤにとっても非常にチャレンジングなものとなるでしょう。

金曜のフリー走行では、各チームには2セットのPZeroホワイト・ミディアム・タイヤが追加供給されます。タイヤに厳しいサーキットでこのタイヤを評価するための措置です。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「シルバーストンはいつもエキサイティングなレースを演出します。イベント全体に素晴らしい雰囲気があり、それゆえに“イギリスのモータースポーツの聖地”と呼ばれているのです。今回選定されたハード・タイヤは、タイヤに厳しいサーキットにおいて耐久性を提供し、ソフト・タイヤは純粋なパフォーマンスを発揮するための速さを提供します。これらをどう使うかが、戦略の基礎になります。両スペックの差が大きいチームはPZeroイエロー・ソフト・タイヤでスプリントを繰り返すでしょうし、そうでなければPZeroシルバー・ハード・タイヤで長く走り続けることになるでしょう。この選択はレースだけでなく予選の戦略にも影響しますので、土曜日の時点で各チームの狙いが見えてくるはずです。マルチストップであっても長めのスティント走行であっても、どちらも非常に接近した結果になるはずです。このあたりがこれまで同様今回も見どころのひとつになるでしょう。しかしシルバーストンは我々が事前のテストができなかったサーキットのひとつですので正確な予測は非常に困難です。また、イギリスではせっかく組み立てた戦略を台無しにしてしまうような雨がいつ降り出すかわかりません。」

ドライバーのコメント ポール・ディ・レスタ(フォースインディアF1チーム):
「F1ドライバーとして初めて迎えるイギリスGPでは、特別な気分になるだろうね。これまでで最大のレースになるだろうし、とても忙しい週末になることもわかっているよ。去年のフリー走行に出走した時のことは今でも覚えているし、信じられないような雰囲気だった。グランドスタンドはいつも超満員で、イギリスのファンはとてもF1に熱狂している。素晴らしいサーキットだし、コプス、マゴッツ、ベケッツのような高速コーナーではF1マシンの性能を最大限に感じることができるんだ。今年はレイアウトが新しくなってラップ終盤に高速コーナーがあるから、予選でどれだけタイヤの性能をキープできるか興味深いところだね。高速サーキットというのは、コーナリング時にタイヤに大きな負荷がかかるから、タイヤに厳しいものだ。だからタイヤをいたわることがレース週末のカギになるだろうし、レース戦略を正しくしっかりと遂行することが重要になるだろう。ロングスティントでタイヤをしっかりと理解することが、フリー走行での最優先事項になるね」

テクニカルノート:
・シルバーストンのダウンフォースレベルは比較的高い。これはラップ前半に連続する高速コーナーでの空力グリップを確保するため。シルバーストンはフラットで高速なコースレイアウトだが、これはかつて軍の飛行場であったため。そのため、風向きが変わりやすく、空力バランスとタイヤ摩耗にも影響が出やすい。

・シルバーストンの新装ピットエリアは、クラブとアビーの間に移動。54週間、のべ26万人時をかけ、大型トラック575台分のコンクリートを使って建設された。41のピットガレージと、2780平米の新メディアセンターも併設されている。

・ピレリは1950年のニノ・ファリーナ(アルファロメオ158)から1954年のフロイラン・ゴンザレス(フェラーリ625)まで、5年連続でイギリスGPで勝利を飾っている。

イギリスでのピレリ:
*トレント、バートンの完全自動化されたMIRS(モジュラー・インテグレイテッド・ロボタイズド・システム)工場は、世界中にあるピレリの他の27の工場を退け、ピレリの上級役員会によって「ベストファクトリー2010」に選ばれました。

・ピレリカレンダーのコンセプトはイギリスで生まれました。1960年代初頭にピレリUKのマーケティング部門が発案し、初めてのカレンダーは1964年にマヨルカでイギリス人フォトグラファーのロバート・フリーマンによって撮影されました。

・ピレリは、1950年から1954年の間にイギリスGPにおいて、アルファロメオ158 ニノ・ファリーナの優勝に始まり、フロライン・ゴンザレスのフェラーリ625での優勝に至るまで5連勝を獲得した。

・ピレリはアストンマーチン、ベントレー、ジャガー、ランドローバー、ロータス、マクラーレンといった、イギリスの名だたる一流メーカーに標準装備タイヤとして製品を供給しています。これにより、ウルトラ・ハイ・パフォーマンス・タイヤの世界的リーダーとしてのピレリの名声は確固たるものとなっています。