2011年 イタリアGP
ピレリ、PZeroミディアムとソフトでホームに臨む
2011年9月5日、ミラノ

グランプリ概要:
モンツァで行なわれるイタリアGPは、ピレリにとって今シーズンの中でも最も歴史があり、強く待ち望んできたレースのひとつです。ミラノにあるピレリの本社から北へわずか30分の場所にある広大な公園が、その舞台となるからです。モンツァはピレリのモータースポーツ活動の歴史と密接に関わり続けてきただけでなく、平均時速が250km/hというシーズン中でも最高速のサーキットであり、タイヤにとっても、ドライバーやエンジニアにとっても大きなチャレンジとなるところです。

ピレリはモンツァでのレースにPZeroホワイト・ミディアム・タイヤとPZeroイエロー・ソフト・タイヤを投入します。これはモンツァの高速レイアウトに対応すると同時に、様々なタイヤ戦略の可能性をもたらすスペック選定です。

歴史的に有名なモンツァ・サーキットは1922年に建設され、今年で82回目を迎えるイタリアGPのうち、モンツァでは61回目の開催となります。

ピレリは1950年代に6度の地元優勝を飾っています。まだ有名な高速バンクが使用されていた頃で、そのバンクは今でも観光スポットとして残されています。現在までにコースは大きく改修されてきたものの、全開走行のストレートで最高速を稼ぐための低ダウンフォース・セッティングゆえに、加速時のトラクションとブレーキングを完璧なものとすることは容易ではありません。

シケインには高い縁石もあり、タイヤに大きな横方向の負荷をもたらします。その影響もあり、タイヤにとっては過酷な53周のレースとなります。

シーズン中で最も厳しいサーキットのひとつであるここモンツァでは、直線走行中には高速のためのダウンフォースによってタイヤ接地面積が通常の3倍まで広がりますが、上位勢のピットストップ回数は通常のレースと変わらず2〜3回になるものと予想されます。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターのコメント:
ポール・ヘンベリー:「もちろんモンツァは我々にとって、技術的にも組織としても非常に重要なレースです。地元でのレースを非常に楽しみにしていますし、チャンピオンシップも非常に重要な局面を迎えています。モンツァのような高速サーキットでは、間違いなくタイヤ戦略が決定的な要素になるでしょう。コース上では他車が全開で駆け抜けますから、ピットでのタイムロスは許されないのです。ソフトとミディアムの両タイヤの間には、ラップタイムにして1秒程度の差があるものと予想していますが、フリー走行が始まってみなければ本当のところは分からないでしょう。今週末は様々なコンディションに対応しなければなりませんから、タイヤの万能性がカギになるでしょう。非常に大きなチャレンジです。しかしイタリアの最高レベルのテクノロジーとノウハウを地元でお見せできることをとても楽しみにしています」

F1ドライバーのコメント:
フェルナンド・アロンソ(フェラーリ):「どのドライバーにとっても、モンツァは特別なレースだよ。シーズン中で最も高速なサーキットであり、モンツァを走ると特別な気分が味わえる。ましてや、スクーデリア・フェラーリのドライバーなら感情的にも特別だ。僕は去年、それを初めて経験した。モンツァで勝つというのは本当に信じられないほど素晴らしいことなんだ。それが真っ赤なフェラーリのマシンでなら、なおさらさ。表彰台に立ち、真っ赤なシャツを着た数千人のファンが赤い旗を振ってくれているのを見ると、とにかく感無量になるよ。今年も僕らの目標は同じ、優勝さ。それを果たすだけの力はあると思う。でもライバルたちも手強いし、レースは非常にエキサイティングなものになるだろう。今年これまで何度も見てきたようにね。ピレリのF1復帰によってショーアップされ、今年の目標のひとつは達成されているね。その点は彼らに感謝しなきゃいけない。そしてイタリアGPは彼らにとってもホームレースだ。これ以上の舞台はないね」

テクニカルノート:
・モンツァはピレリがF1参戦に先立ちテストを行なったサーキットのひとつである。

・モンツァではドラッグ低減のため、各マシンはシーズン中でも最低レベルのダウンフォース量で走行する。一般的なモンツァ用空力パッケージは、前戦のスパ用よりも15%ほどダウンフォース値が低い。そのためマシンが横滑りしやすく、タイヤにも大きな影響をもたらすこととなる。

・モンツァ用のサスペンション・セットアップも、タイヤに影響を与える大きな要素のひとつとなる。低ダウンフォースのためどのマシンもメカニカルグリップに頼ることとなり、サスペンションは加速時のトラクションとブレーキング性能を最大限に高めるようセットアップされる。そうすることで、シケインを積極的に攻めることができるようになる。

・モンツァは選手権リーダーのセバスチャン・ベッテルにとって記憶に残るレースである。F1デビューからおよそ1年後の2008年のイタリアGPで優勝し、21歳73日という史上最年少優勝記録を樹立した。それまでの最年少記録は、2003年ハンガリーGPで優勝したフェルナンド・アロンソの22歳26日だった。

イタリアにおけるピレリ:
・ピレリは1872年に24歳のジャン・バティスタ・ピレリによってミラノで創設されました。彼は1897年に2輪レース用タイヤの開発を決意し、モータースポーツ活動を開始しました。以来、ピレリは世界160カ国以上、約40,000人の従業員を擁する世界第5位のタイヤメーカーへと成長しました。

・イタリアはピレリがF1で初めて成功を収めた場所です。1950年から1954年まで、フェラーリやマセラティといったイタリア製マシン、ジュゼッペ・ファリーナやアルベルト・アスカリといったイタリア人ドライバーとともに、F1世界選手権を連覇しています。

・ピレリは地元イタリアで数々の革新的技術を導入してきました。MIRS(モジュラー・インテグレーテッド・ロボタイズド・システム)によるタイヤ工場やCCM(連続的コンパウンド混合)などの、タイヤコンパウンド製造の最先端技術です。

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