レビュー: 2013年ヤングドライバーテスト in シルバーストン
各チーム、ピレリタイヤの新レンジをテスト
2013年7月19日、シルバーストン
Formula Oneの各チームは、シルバーストンでの3日間のテストで、ハンガリーグランプリ以降使用されるピレリタイヤの新レンジをテストしました。このテストの本来の目的である若手ドライバーへ走行機会を与えることに加えて、ピレリが作成した走行プランに従ったタイヤテストに限りレースドライバーの参加も認められました。3日間のテストを終え、各チームは、今後のグランプリに有益となる大量のデータを収集しました。しかし、新型タイヤの仕様は、2012年型のタイヤ構造と2013年型のコンパウンドを組み合わせたものであるため、新型タイヤの構成要素に関する多くの情報を既に持っている各チームにとって、大きな驚きはありませんでした。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント:
「シルバーストンでの3日間のテストで、参加者全員が目的を達成できたと思います。我々の観点では、Formula One各チームの今後の要望を満たすために必要となるデータを収集する機会を最大限に活用できました。現在のシミュレーション技術は非常に進歩していますが、レースで使用されるマシンでトラック上を走行することでのみ得られる情報も存在します。この目的達成のために協力してくれた各チームおよびFIAに感謝したいと思います。この3日間を通してタイヤは確実な走りを見せていました。もちろん、路面コンディションやマシンのパラメーターが異なっていますので、今回のタイムをイギリスグランプリでのタイムと比較することはできません。実績ある2012年型の性能と2013年型のスピードの組み合わせは、今後のレースに興味深い戦略要素を提供するでしょう。各チームは、昨シーズンの経験から、このタイヤの形状と変形に関する大量の情報を既に持っていましたので、シルバーストンでの3日間のテストは、2013年型マシンへのタイヤの影響を評価する上で有益でしたし、ポジティブな結果が残せたと思います」
■テストの概要:
・各チームは、マシンあたり年間100セットのタイヤをテストで使用することができます。(シルバーストンでは、追加の12セットの使用が認められました。)テストでは、レンジ中の全てのコンパウンドを使用可能です。各チームは、使用するセット数やコンパウンドの種類を自由に選択できます。
・さらにシルバーストンでは、プロトタイプのハードコンパウンドが、レースドライバーの使用に限り供給されました。このタイヤは、スペイングランプリとイギリスグランプリのフリー走行でテストされたものです。
テストの数値:
・シルバーストンに持ち込まれたタイヤセット数: 344セット(=1,376本のタイヤ)
– ソフト: 29セット
– ミディアム: 105セット
– ハード: 139セット
– プロトタイプハード:25セット
– インターミディエイト: 30セット
– ウェット: 16セット
・使用されたタイヤセット数: 224セット
– ソフト: 18セット
– ミディアム: 84セット
– ハード: 107セット
– プロトタイプハード:15セット
– インターミディエイト: 0セット
– ウェット: 0セット
・最多周回数:
– ハード: 17周
– プロトタイプハード: 18周
– ミディアム: 16周
– ソフト: 11周
・3日間を通じての最低/最高気温:19℃(Day 2)/28℃(Day 1)
・3日間を通じての最低/最高路面温度:27℃(Day 2,3)/45℃(Day 1,3)
■テストでのラップタイム上位:
Day 1
1.ケビン・マグヌッセン(マクラーレン)1分33秒602 ミディアム新品
2.ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)1分33秒774 プロトタイプハード新品
3.アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(レッドブル)1分33秒821 ハード新品
Day 2
1.ダニエル・リカルド(トロ・ロッソ)1分32秒972 ミディアム中古
2.カルロス・サインツJr.(トロ・ロッソ)1分33秒016 ソフト新品
3.ダニエル・リカルド(レッドブル)1分33秒187 ハード新品
Day 3
1.セバスチャン・ベッテル(レッドブル)1分32秒894 ミディアム新品
2.エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)1分33秒242 ミディアム新品
3.ニコラ・プロスト(ロータス)1分33秒256 ミディアム新品