今年からF1で使用されるピレリタイヤを試したドライバーたちが、デグラデーションがひどいという感想を述べている。レース中に危険な事故が起こる可能性を危惧するドライバーがいる一方で、レースが面白くなると歓迎するドライバーもいる。
今週、今年初のF1合同テストがスタートし、多くのチームがピレリタイヤで新車を走らせている。ドライバーたちによると、ソフト側のコンパウンドではラップタイムの落ち込みが激しく、タイヤを長くもたせるためには何らかの対策が必要だという。
フェラーリのフェルナンド・アロンソは、ピレリタイヤは一貫性に欠けており、これに対処する方法を見つける必要があると述べている。
「タイヤの一貫性を保つのが楽ではなかった。まだ新しいのに性能が落ちてしまうんだ。1周目はいいんだが、その後、1周につき2、3秒落ち込む。その後にはある程度落ち着いてくるけれど、明らかに遅すぎる」
「一貫性を得るため、セッティング上で新しいソリューションを見つけようとしている。今日の午後は満足できるロングランができた。誰もがこの問題を気にしているはずだけど、タイヤによりやさしくするために、セッティングやドライビングスタイルなどにおいて何らかの方法はある」
ロータス・ルノーのロバート・クビカは、レース中のタイヤバーストなど、安全性に問題が出ないよう注意する必要があると述べている。
「(デグラデーションは)かなり大きいね。5回ストップとか6回ストップのレースをするつもりなら問題ないけれど、その場合はもっとタイヤが必要だよ! それは冗談だけど」
「コンパウンドによるんだ。ハード側のコンパウンドの方が状況はいい。でも問題はグレイニングではなく磨耗だ。突然タイヤがだめになる」
「レースでは長いスティントをとる傾向にあるから、安全性に注意する必要がある。タイヤがバーストするなんて事態は絶対に避けたいからね」
「タイヤの本格的な最初のテストはバーレーンになると思う。状況がよくなることを願っているけれど、このままなら大変だろうね。セッティングやタイヤを長くもたせる方法を考えなければならないだろう。真剣に考え、対策する必要があるよ。タイヤをもたせ、マシンにとってよりよく機能させる方法はいくつもあるから」
メルセデスGPのニコ・ロズベルグは、いいマシンさえあればデグラデーションには対処できるはずであり、心配していないと語った。
「僕は心配していない。レースがよりエキサイティングになるはずだよ」
「重要なのはいいマシンを持っていることだ。いいマシンがあれば、タイヤのデグラデーションの問題にもうまく対応できる」
マクラーレンのルイス・ハミルトンは、ピットストップを何度もやることになればレースが面白くなるため歓迎であるという。
「コンパウンド間の差がすごく大きいみたいだね。それは一部の人にとってなのかもしれないけど。僕らにとってそれほど大きな差があったかどうかは分からないな」
「去年は(レース中)1回ストップだったけれど、今のタイヤはデグラデーションが大きいから、2回や3回のピットストップをしなければならないドライバーが出てくるかもしれない。それはすごくいいことだと思う」
「去年の1回ストップは好きじゃなかった。昔2回か3回ピットストップをしていた時ほどエキサイティングじゃなかったからね。今年はもっとピットストップが増えるといいな。エキサイティングな要素が増えることになるから」