2度のF1ワールドチャンピオンでインディ500ウイナーのエマーソン・フィッティパルディは、先週末にモンツァで行われたヨーロッパF3選手権で立て続けに起きた大クラッシュに、若いドライバーたちはお互い敬意をもってドライブする必要があると警告している。
今年で68歳を迎えるレース界のレジェンド、フィッティパルディは彼の孫ピエトロ・フィッティパルディをサポートするためにモンツァを訪れた。
彼がF3イベントを初めてみたのは2006年にノリスリンクで行われたF3ユーロ・シリーズ。そのレースは、今やF1ワールドチャンピオンに成長したルイス・ハミルトンが勝利している。今回のモンツァでクラッシュ多発のレースを見たフィッティパルディは、F3の若手ドライバーたちに苦言を呈した。
「私はチームの数や競争しようとするドライバーの努力を非常に印象的だと思ったんだ。しかし、何人かのドライバーは限界を超えていた。彼らはお互いにリスペクトし合わないといけないよ。本当にひどいクラッシュだったからね」
「安全面の向上によって、クルマはより安全になり、頭部保護も優れている。それでも、彼らはちゃんと振る舞う必要があるんだ。ほとんがカートから上ってきている。クラッシュすることなくレースをするにはお互いをリスペクトしてきたはずだ」
「ここではいつもクラッシュを見てきたけど、こんな状況でのクラッシュはモンツァでは見たことがないよ。モンツァは、ドラフティングとスリップストリームによって、ほかのサーキットよりもリスキーな状況になることがある」
「モンツァはスリップストリームとハードブレーキングが最悪だというのが私の意見だ。しかし、素晴らしい才能を見ることは非常にうれしいね。いつかはこのドライバーたちがF1を戦っているかもしれない。スポーツを通じて、決断、貢献し、モチベーションをもって成長していくのは素晴らしい。しかし、時々行き過ぎているようだけどね」
モンツァで開催されたヨーロッパF3選手権の第4戦は、土曜の第2レースでフェラーリドライバーのランス・ストロールが大クラッシュに巻き込まれるなど多数のクラッシュが相次ぎ、第3レースも早期に打ち切られる異例の事態となった。