フェラーリのテクニカルディレクター、パット・フライは、これまでテストしてきたアグレッシブなエキゾーストシステムはまだ実戦に投入できる段階でないとして、当面は比較的コンベンショナルなシステムを採用することを明らかにした。
ラジカルなデザインコンセプトで作られたF2012の開発にフェラーリは苦労している。
先週のバルセロナテストで使用したアグレッシブなコンセプトのエキゾーストにはまだ作業が必要であることがわかり、当面比較的コンベンショナルなバージョンを選ぶことにしたと、フライはコメントした。
「期待は感じられたものの、先週のテストで試した後、レースで使用するにはまだまだ開発が必要であることが分かった。これについてはさらに作業を続け、結果を見ていく」とバルセロナでのシーズン前最後の合同テストにおいてフライは語った。
「マシンはそのコンセプトに沿って開発したので、(開幕戦に向かうまでの)1週間半の間にすべてを改めて最適化しなければならない。ふたつの(エキゾーストシステムの)間には大きな差はないが、細かいところまですべてをチェックする必要がある。今夜も、日曜にも新しいアイテムを取り入れて試し、最終的な最適化の作業を行う」
しかし、今週のテスト前半が終了した段階で、チームの状況を聞かれたフライは「まずまずの状態だと思う」と答えている。
「我々にはやるべきことは多い。これからも努力を積み重ねていかなければならない」
「新しいアイテムを取り入れているところだ。自分たちの状態を正確に理解し、マシンバランスをどう扱うかを理解する必要がある。それから最後の開発アイテムを試す。日曜の前にあと4つの開発アイテムを導入する予定だ」
2日、フェラーリは新しいフロントウイングを試したものの、午後にフェルナンド・アロンソが行ったレースシミュレーションランではそれを使用していない。
アロンソが行ったレースディスタンスシミュレーションは、ロータスのロメイン・グロージャンの同様の走行ほどコンペティティブではなかったとの見方もなされているが、フライは心配してはいないと語っている。
「まだ他のチームのロングランについてチェックし、自分たちと比べてはいないが、我々は新品タイヤとユーズドタイヤを取り混ぜて使用していた。異なる距離を走ったタイヤを使っており、ひどいデグラデーションが出ているものと、いい状態のものがあった」
しかしフライは、マシンのパフォーマンスがコンディションの変化によって大きく変わるという問題に直面していると認めた。
「バランスがよかったり悪かったりと変化する。その問題を理解するために取り組んでいるところだ。昨日は、マシンがいいかと思えば、突然それが変わったりした」