フェラーリは、火曜マラネロで取締役会議を行った後、4,000万ポンドのバジェットキャップ制が変更されない限り、2010年F1世界選手権へのエントリーは提出しないと発表した。
すでにトヨタ、レッドブルも、もしバジェットキャップ制が強行されるならエントリーは行わないと発言している。フェラーリを含めたこの3チームは、バジェットキャップを選択するチームには技術面で大きな自由度が与えられるこのシステムによって、F1が二重構造のシリーズになってしまうことへの懸念を表明している。
フェラーリは以下のような声明を発表した。
「(4月29日の世界モータースポーツ評議会の会合においてなされた)決定によって、F1の歴史の中で初めて、2010年シーズンには、任意のテクニカルルールと経済的なパラメーターに基づく、異なるふたつのレギュレーションが導入されることになる。フェラーリは、過去60年にわたって継続して世界選手権に参戦してきた。我々は1950年の選手権開始から参戦している唯一のコンストラクターである。しかし取締役会は、これがF1の今後の規則の枠組みであるなら、フェラーリの継続的参戦の基礎となる理由は消えてしまうだろうと考える」
「すべてのチームに対する同一の規則、レギュレーションの安定化、コスト削減を系統的かつ漸進的に進めていくFOTAの努力、F1の統治――それらが将来において最も重要な事柄だ。これら不可欠な原則が尊重されず、2010年に適用されるレギュレーションが変更されないならば、フェラーリは来年のF1世界選手権にマシンをエントリーするつもりはない」
さらにフェラーリは、FIAとFIA会長マックス・モズレーがバジェットキャップを決めたやり方を批判している。
「取締役会は、FIAがこれほど重要な性格を有する決定を行う際のやり方、コンストラクターおよびチームとの合意を拒んだことに対し、遺憾の意を表す。レギュレーションの安定に関し、フェラーリとFIAの間には契約上の義務があるにもかかわらず、過去25年にわたってF1の発展に寄与してきた統治におけるルールが無視された」
フェラーリは、F1を撤退した後のレース活動について検討するよう、ルカ・ディ・モンテゼモロに要求したという。
「フェラーリは、この難しい決断は、スクーデリアのモータースポーツ、特にF1に対するアプローチと完全に一致したものであることを、世界中のファンが理解してくれるものと信じている。我々は常に競技的および技術的な価値を高める努力を行ってきた。取締役会長は、同社の利益を保護する最も適切な手段を評価するよう要求された」
