コストキャップ制の差し止め請求を却下されたフェラーリは、F1からの撤退の可能性を再度強調した。

 2010年F1に4,000万ポンドのバジェットキャップが導入されることが発表された後、このシステムによってF1は二重構造の選手権になるとしてフェラーリは反発、これが導入されればF1から撤退すると主張している。モナコGPが行われる今週末、FIA、バーニー・エクレストン、フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション(FOTA)が再度会合を開く予定だが、FIA会長マックス・モズレーは、この制度の“任意”の要素については取りやめることにしたようだが、予算制限については強行する構えだ。一方、フェラーリをはじめとするチーム側は、4,000万ポンドの額は低すぎるとしており、規則を緩和することを求めている。

 フェラーリは、差し止め請求が棄却されたことを受け、以下のような声明を発表した。
「フェラーリは、4月29日のFIA世界評議会での決定の結果に対し早急に差し止めるよう要求を行い、これに対する大審裁判所の判決を受け取った」
「FIA議会との書面による合意書において認められているフェラーリの拒否権の存在および有効性は、この論争が契約上の性質を持ったものであるという事実と共に、法廷に認められた」
「したがって、この問題はFIAの法廷ではなく、通常の民事裁判所に持ち込まれるべき問題であるということも認められた。法廷は、3月17日および4月29日の世界評議会の会合で拒否権が行使されるべきであったと見なしている。したがって、この急を要する問題に民法を適用することを選んだのである」
「そのような決定は、問題の結果に不利に働くものではないが、FIAが2010年世界選手権に参戦するチームに対して、合意による手続きを尊重することなく一方的に作成したレギュレーションを強制的に押し付けることを可能にすることとなった。最終的な分析の結果、フェラーリは、自身の利益、F1世界選手権に参戦する全チームの利益を守るため、拒否権を行使せざるをえなかった」
「すでにスタートしているこの法的手続きを続行するか否かを今後も評価する一方で、フェラーリは、F1を、全員が同じルールの下で戦い、安定したレギュレーションの恩恵を受けられるようなシリーズにし、同時に過去数カ月同様、系統的かつ漸進的なコスト削減のために前進する努力を続けるため、FIAおよび商業権所有者と協力し、FOTAにおいて力を尽くすことをここで確認する」
「もし全当事者が合意に至らなかった場合、5月12日の取締役会の決断に沿って、フェラーリはそのマシンを競技に参加させない。予定されたシナリオが実行されれば、F1に最も重要なモータースポーツシリーズというステータスを与え、フェラーリを1950年以来途切れることなく世界選手権に参戦させてきたこの競技の特徴が弱まってしまうだろう。こういった状況の中、フェラーリは、自らに値する能力を持ち、その革新および技術研究のレベルに匹敵するレースで活動を続けていく」

 規則変更に関する拒否権は、2005年、F1のライバルシリーズ立ち上げの危機が生じた際、ルカ・ディ・モンテゼモロとFIAが密約を交わし、それに伴ってフェラーリに与えられたものだ。この取り決めにおいてフェラーリは2012年までF1に参戦しなければならないが、フェラーリはFIAが協定に違反したと主張している。一方FIAは、フェラーリはFOTAの設立に関与した時点で、この特別な権利を失ったのだと述べている。

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