フェラーリは、バジェットキャップ制の差し止め請求が却下された後も、FIAは協定を破ったと主張している。しかしその協定によってフェラーリはF1から撤退することが許されないかもしれない。
2010年F1へのエントリーは5月29日に締め切られるが、フェラーリはバジェットキャップが導入されればF1を去ると断言している。
差し止め請求を提出するに伴って、フェラーリは、FIAは協定を破ったと主張した。2005年にF1のライバルシリーズ立ち上げの動きがあった際にそれを阻むべくFIAはフェラーリと協定を結び、その中でフェラーリに規則変更に関する拒否権が与えられた。しかし今回FIAが競技者に相談なく予算制限を推し進めたのは、その協定における違反であるというのがフェラーリの主張だ。
フランスの大審裁判所はそのコンコルド協定の正当性を認めたが、そうなると逆にフェラーリ側も、2012年までF1に参戦するという、契約上の義務を守らなければならないことになる。フェラーリは、FIAが2005年の取り決めを遵守しなかったとして、さらなる法的措置をとることを検討しているが、FIA側は、フェラーリはFOTAの設立に関与した時点で彼らに与えられた特別な権利を失ったのだと主張している。
脅迫的にF1からの撤退を繰り返すフェラーリに対し、FIA会長マックス・モズレーは“フェラーリがいなくてもF1はやっていける”と主張している。
「F1は続いていく」とモズレー。
「我々は世界中のTVやプロモーターと契約しており、そういう形で続けていく。我々は今後も存在し続ける」