フェラーリは、バジェットキャップ制が強行されるならF1から去るという発言は、脅しではなく本心から出たものであると主張した。
エディ・ジョーダンとニキ・ラウダは、フェラーリのF1撤退宣言を真剣に取り合わなかったが、エンツォ・フェラーリの息子であり、フェラーリ社の株式を10パーセント所有するピエロは、80年代に父親がF1からの撤退をちらつかせた時のことを例に挙げてコメントした。
「彼ははったりをかけたりはしていなかった」とピエロはイギリスのガーディアン紙に対して語った。
「彼は真剣だった。今の我々もそうだ。我々が反対しているのは、第一にバジェットキャップだ。これはコントロールできるものではないと考えている。第二に、バジェットキャップを受け入れたチームには異なるテクニカルレギュレーションが適用され、自由度が与えられるのは間違っていると思う」
「グランプリのスタートラインに立つときには、同じレギュレーション、同じ技術仕様が適用されるべきである。サッカーのようにね」
「そうでなければ競技とはいえない。誰かが勝者を決めているようなものだ」
「全コンストラクターズが、F1に関する支出を真剣に削ろうとしている。だが、バジェットキャップがなくても支出を削ることはできる。いずれにしてもそれ(バジェットキャップ)は実行不可能である」
「最近のディフューザー問題を見れば分かるとおり、テクニカルルールを実行に移すだけで十分に難しい。そうであれば、バジェットキャップの実行やコントロールは果たして可能なのだろうか? 技術面の支出をコントロールする方が優れたやり方だろう。我々はそれをエンジンで行っており、来年はギヤボックスで行う予定となっている。カーボンファイバーなど材料費においても上限を設けることはできるだろう」
「アメリカのNASCARに親しい友人がいるが、彼らはメカニックの数などでコストをコントロールしながら、全チームが同じルールでレースをしている。我々にも同じことができるはずだ」