フェラーリの低迷への批判が、ミハエル・シューマッハーのアドバイザーとしての能力にまで及び、マネージャーのウィリー・ウエーバーがシューマッハーを弁護するコメントを述べた。

 昨年のコンストラクターズチャンピオンであるフェラーリは、今季2戦を終えた段階でまだ1ポイントも獲得していない。マシンは速さ、信頼性ともに問題を抱えている上に、マレーシアGPではチームが大きな戦略上のミスをふたつ犯した。キミ・ライコネンとフェリペ・マッサは金曜プラクティスのタイムではトップに並び、好調な“ディフューザー・スリー”にチャレンジできるものと見られていた。ところが予選でライコネンは9位にとどまり、マッサにいたっては16位に沈んだ。チームは油断から、他のドライバーたちがタイムを更新していく中でマッサを再度アタックさせず、その結果彼はQ1落ちを喫することとなった。
 決勝の戦いぶりも悲惨だった。ライコネンは入賞を狙ってレースをしていたが、最初のピットストップの段階でまだ雨が降っていなかったにもかかわらず、チームはフルウエットタイヤを装着するというミスを犯した。予想された土砂降りがきた時にはライコネンは順位を大きく落としており、赤旗中断のまま終了したレースで14位という結果に終わった。
 ライコネンはこの2戦、フリー走行でギヤボックスとKERSのトラブルに見舞われており、マッサは開幕戦をトラブルでリタイアしている。フェラーリにとって、今季はいいスタートを切ったとはとてもいえない状況であり、批判は特にイタリアのメディアの中ですでに高まってきている。

 その批判の矛先が、シューマッハーにも向けられている。彼は今季もチームの“スペシャルアドバイザー”の役割を務めている。チームプリンシパルのステファノ・ドメニカリは、シーズン幕開けの低迷の責任をチームの全員が引き受けるべきだと語っているが、スポーツ関係のメディアは、シューマッハーはマレーシアの混乱の中でどこにいたのかと問いかけている。ガゼッタ・デロ・スポルトは、シューマッハーは“ゴーストだった”と報じ、コリエル・デロ・スポルトとラ・ガゼッタ・ディ・モデナは、シューマッハーがチーム内で果たしている役割に疑問が生じてきているとほのめかしている。

 シューマッハー自身は、マレーシアは“運が左右するレースで、我々は不運にも勝つことができなかった”と主張している。そしてついにマネージャーのウエーバーが、シューマッハーの弁護に乗り出した。
「批判はすべて馬鹿げたものだ」と彼はドイツの通信社SIDにコメントしている。
「ミハエルへの攻撃は全く理にかなわないものだ。ピットウォールの決断は、チームによってなされたものだ」
「フェラーリとの彼の契約は今年末で切れる。更新されるかどうかはまだ分からない。更新されない可能性も十分ある。今年半ばに話し合いが行われるので、それを待たなければならない。しかし、もし契約が更新されなくても、それはマレーシアGPで起こったこととは全く関係ない。ミハエルはチームにアドバイスを与えることはできるが、フェラーリのチームリーダーでもなければ、チームマネージャーでもないのだ」

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