モータースポーツ関連商品を多数取り扱っている代官山蔦屋書店に、今もレース界で大きな存在感を発揮するフェラーリF1とポルシェの写真集が入荷した。
書籍以外にも映画や音楽など幅広い分野の商品を取り扱い、一般的な書店とは一線を画すアプローチで人気を博している代官山蔦屋書店。モータースポーツ関連の書籍やグッズも多数取り扱っているが、今回は日本でも人気の高いスクーデリア・フェラーリとポルシェのレーシングヒストリーに焦点を当てた写真資料集が2冊入荷した。
フェラーリのF1チームであるスクーデリア・フェラーリの写真資料集『Forghieri on Ferrari:1947 to the Present』では、同社の創業年とされている1947年まで遡り、チームの歴史を追う。47年の125Sから2011年F150イタリアまで、歴代マシンやメカニズム解説、レース風景などを網羅しているほか、1960年から84年までチームのテクニカルディレクターを務めたマウロ・フォルギエリの手記も収録し、マシンに関するエピソード以外にも、相反する性格を持つニキ・ラウダとの関係など興味深い挿話が収録されている。
もう1点となる、ポルシェのレーシングヒストリーを収めた『Porsche & Piech』は、ポルシェの創業者フェルディナンド・ポルシェの孫にあたるフェルディナント・ピエヒがレーシングカー開発に携わった1963年から72年までにスポットを当てた写真集だ。ピエヒが携わったポルシェの黄金期を代表するモデルが登場するほか、関係者やドライバーへのインタビューなども収録されている。
●Forghieri on Ferrari:1947 to the Present
スクーデリア・フェラーリ写真資料集
ハードカバー/W265×H295/モノクロ・カラー/303p/英語 ¥8,820(税込)
M・フォルギエリと知られざる跳ね馬
本書は、創業者の名を冠したフェラーリ社のレーシング・ヒストリーを追った分厚い写真資料集である。時は創業年とされる1947年まで遡り、125Sから2011年の150Fまで歴代マシンやレース風景、メカニズム解説を9章に分け網羅している。その長い歴史の中でもM・フォルギエリがレース部門の開発責任者を担った1960年~84年までの期間について、本人自らが筆を執り誰も知らない真実と心情を振り返っている。氏は、1964年処女作となる158F1での2冠を皮切りに、312TシリーズまでにGP54勝という快挙を成し遂げた。本書では、スクーデリア・フェラーリ史だけでなく、フォルギエリがレースに捧げた生き様と製造車両(F1マシンと408)、そしてランボルギーニ、オーラル・エンジニアリング時代まで記載している。除雪車としての愛称も持つ312B3、相反する性格を持ち合わせたN・ラウダとの深い関係など、興味深いストーリーが満載である。写真やイラスト、設計図に透視図と随所に貴重な資料を散りばめながら読み応えのある資料性の高い一冊に仕上がっている。
●Porsche & Piech
ポルシェ・レーシング写真集
ハードカバー/W310×H245/モノクロ・カラー/311p/独語 ¥5,880(税込)
ピエヒが過ごしたポルシェ黄金期
ポルシェの創業者F・ポルシェの長女L・ピエヒを母に持ち、フェルディナントのビジネス・パートナーであったA・ピエヒを父とするF・ピエヒ。本書は、ピエヒがポルシェ社に入社しレーシング・マシン開発に携わった1963年から1972年までにスポットを当て、同社のレーシング・ヒストリーについて内面から綴った写真資料集です。高品質厚紙が使用された中身には、当時の雰囲気を余すところなく伝える絵葉書のような情景と、近年撮影されたハイクオリティな芸術作品が織り重なるように収録されています。ピエヒが関わったモデルとして、904、906、908、910、そして名機917シリーズへとポルシェを代表する黄金期のモデルが続いて登場します。また、氏の幼少期や生い立ち、関係者やドライバーとのインタビューなど、レースファンを刺激するマニアックな情報が満載です。