フォーミュラEに参戦するアプト・スポーツラインが、参加全チームのトップを切って2014-15年シーズンのドライバーラインナップを発表した。
フォーミュラEに7番目のチームとしてエントリーを決めたアプト・スポーツラインは、「アウディ・スポーツ・アプト・フォーミュラEチーム」の名称で2014-15年シーズンに参戦。自動車メーカーであるアウディはマニュファクチャラーとして直接的な関与はしないものの、プロジェクトへの支援というかたちで、必要によってはファクトリードライバーを送り込む可能性も示唆していた。
13日、アプト・スポーツラインは、シリーズに参戦する全10チームのトップを切ってドライバーラインナップを発表。チームがシリーズ初参戦のドライバーとして起用したのは、元F1ドライバーで、アウディのファクトリードライバーのひとりとして今季のWEC世界耐久選手権でワークスドライバーも務めるルーカス・ディ・グラッシに決定。またそのチームメイトには、アプト・スポーツラインの代表であるハンス-ユルゲン・アプトの息子でGP2ドライバーのダニエル・アプトに決まった。
「ダニエルとルーカスという、我々にとって非常に理想的な組み合わせで合意することができた」とチーム代表のハンス-ユルゲン・アプトは語っている。
「彼がフォーミュラEへ関与することを認めてくれたアウディにも感謝したい。彼はシリーズ当初から開発を担っており、今最も現場で求められているドライバーのひとりだ。彼が我々を選んでくれたことも誇りに思う」
ブラジル人ドライバーのディ・グラッシは、2008年からF1のリザーブドライバーを務め、2010年にはヴァージン・レーシング(現マルシャ)から参戦。そのヴァージンも同じくフォーミュラEへの参戦を決めており、彼らはF1ドライバーを候補にしていることを認めていた。
「アウディがスポーツカー・レースだけでなくフォーミュラEをドライブする機会も与えてくれたことを非常にうれしく思っている」とディ・グラッシ。
「アプト・スポーツラインのことは長い間見てきている。非常にプロフェッショナルでクールな集団だし、素晴らしい働きぶりだ。それに僕らには野心的なプランがあるんだ」
21歳のアプトは、2012年のGP3でランキング2位につけ、今季はヒルマー・モータースポーツからGP2にも参戦する。
「初シーズンにラインナップの一員になることは、名誉なことであり大きなチャレンジにもなる」とアプトは語っている。
アプトからフォーミュラEへの参戦が決まったふたりは、いずれもシリーズが認める「フォーミュラEドライバーズクラブ」のメンバーからの選出となった。
チームは、最初のテストを6月に開始することを明らかにしている。