ロス・ブラウンは、1年前レギュレーション会議において彼が行った提案に他チームが耳を傾けていれば、現在のディフューザー問題は起こらなかっただろうと述べた。

 今季2戦を終えて100パーセントの勝率を誇るブラウンGPの新チームオーナーであるブラウンは、2009年のF1マシンに関し、ディフューザーを含むさまざまなエリアをカバーするレギュレーションを明確にするため、ルールブックの改正を提案したが、他チームから却下されたのだという。
 この結果、ブラウンGPは、独自のラジカルなディフューザーデザインを推し進めた。それがジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロに明らかなアドバンテージを与えている可能性が高く、ライバルチームはブラウン、ウイリアムズ、トヨタのディフューザーに対して抗議、これに関する控訴審が来週行われることとなっている。

「もちろん、“この規則が受け入れられなければ、我々はこのディフューザーで行く”などと言ったわけではない。自分たちのやっていることを他の人間に話したりはしないからね」とブラウンはロイターに対して語った。
「だが私は、何をすべきなのかを簡単に説明するような、異なる規則を採用すべきだと思うと説明した」
「私が提案した規則が採用されていたら、たくさんのものが禁止されていただろう。ディフューザーもそうだし、フロント周りのバージボードもそうだ。そうすればマシンはすっきりとしていただろう。私はそういう提案をしたのだが、却下された。だから、私はやましさは全く感じていない。当時は誰も関心を持たなかったのに、彼らは今になって興味津々だ」

 一方、ブラウンは、チームオーナーとFOTAのテクニカルグループの責任者というふたつの役割をうまくこなしていかなければならないが、自分のチームを成功に導くために全力を尽くす必要があると述べている。
「常にふたつの役割をきちんと果たすべく努力している」とブラウン。
「ひとつは、F1にとって何がいいのかを考えること。その役割を一定期間担った後、そこから離れた時には、私のチームにとって何がいいのかを考える。マシンのデザインに取り組んでいる時に、“新しいすごいことを見つけたけど、これはやめた方がいい”と引き返すことはできないよ」

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