FIAは、ブロウン・ディフューザーのレギュレーション変更をいったんは決めたものの今週末のスペインGPでの施行は取りやめた。
今季マシンデザインにおいてブロウン・ディフューザーは重要な存在となっている。各チームはこれから最大限のアドバンテージを引き出そうとしており、一部チームは、エンジンモードの変更を行い、ブレーキング時にもスロットルを開けているときと同レベルの排気をディフューザーに流すことで、空力上のメリットを得ている。
しかしFIAはスペインGPから、スロットルセッティングをトルクを増すためにのみに使用し、空力パフォーマンス向上のためには用いないようチームに通知した。これにより、チームはオフスロットルのときに排気レベルを維持することができなくなる。
この規則変更によってチームはスペインGPでのエンジンセッティングを変更することを強いられる見込みとなった。しかしFIAとチームの間で話し合いが行われた結果、FIAは火曜、スペインGPではブロウン・ディフューザーの規則を変更しないことを決めた。
信頼がおける情報筋によると、規則変更により多数の予期せぬ影響が生じるため、FIAは今週末の規則変更を取りやめたということだが、具体的にそれがどのような影響なのかは明らかになっていない。ただ、ブロウン・ディフューザーから大きなアドバンテージを得ているチームが、直前に規則が変更されることによってマシンセッティングの変更を行うのは難しいとして不満を申し立てたことは予想される。
結局スペインGPではオフスロットル時のブロウン・ディフューザーの利用が許可されることになったものの、FIAは早急に規則変更を行いたい意向であり、この問題は次回のテクニカル・ワーキンググループの会合でメインの議題になるものとみられる。