2011年のF1開幕戦オーストラリアGPの決勝が現地時間の27日に行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがポール・トゥ・ウインで今季初優勝を飾った。ザウバーの小林可夢偉は8位入賞を果たした。
現地時間午後5時、決勝の舞台となるメルボルン/アルバードパーク・サーキットの天候は晴れ。気温18度、路面温度は23度というコンディション。決勝前のグリッドには予選で107パーセントルールをクリアできなかったHRTの2台を除く22台が並び、その多くがオプションのソフトタイヤを装着した。
レースはPPのベッテルが危なげないスタートで1コーナーをトップで通過。2番手スタートのルイス・ハミルトンもマーク・ウエーバーのインを守って2番手のポジションを死守する。一方、マクラーレンのジェンソン・バトンはオープニングラップでビタリー・ペトロフとフェリペ・マッサの先行を許し6番手にポジションをダウン。3列目スタートのフェルナンド・アロンソも9番手に順位を下げた。
スタートでひとつポジションを上げた可夢偉は8番手でホームストレートに帰ってくるが、2周目にバックストレートでアロンソにパスされ序盤はスタート順位と同じ9番手を走行。その他では、ミハエル・シューマッハーがセルジオ・ペレスと絡んで右リヤタイヤにダメージを受けピットイン、シューマッハーは最後尾から再度レースを仕切り直すことになった。
レース序盤、先頭を走るベッテルは早くから2番手ハミルトンを引き離して3秒弱のリードを築く。一方、3番手を走るチームメイトのウエーバーはハミルトンからも徐々に遅れをとり11周目に早くもピットイン。プライムのハードタイヤに履き替えると、翌周以降5番手アロンソ、6番手マッサもピットへ。14周目には先頭のベッテルがピットインし、スタート時と同じオプションのソフトタイヤを履いてコースに復帰していった。
2番手のハミルトンは16周目に1回目のタイヤ交換を実施。チームメイトのバトンはマッサとのバトルでコースを大きく外れたためにドライブスルーのペナルティを受け再びポジションを下げている。
23周目、可夢偉の前を走っていたニコ・ロズベルグとルーベンス・バリチェロが接触し、可夢偉が一気に2つポジションをアップ、7番手に浮上する。追突されたロズベルグはその後コース上でストップし、バリチェロもフロントウイングを交換するためにピットインを余儀なくされた。また、序盤のダメージで最後尾を走っていたシューマッハーもレースを諦めてしまい、メルセデスにとっては予想外のダブルリタイアとなってしまった。
レース中盤、ベッテルが2番手ハミルトンとの差を7秒近くまで広げ早くもレースはベッテルの独走状態となる。3回ストップを選択した3番手走行のウエーバーと4番手アロンソは25周目以降に2回目のピットストップを行い、レース折り返しの30周目にはベッテル、ハミルトン、ペトロフ、マッサ、ウエーバー、アロンソ、バトンの順に変わる。可夢偉は2回目のピットストップを終えた段階で11番手を走行している。
その後、レースは36周目にトップ3のベッテル、ハミルトン、ペトロフが最後となる2回目のピットストップを行う。ハミルトンはこの直前にマシンのフロアが外れかかってしまい、火花を散らしながらの走行を強いられたがタイムには大きく影響せずにそのまま走行を続けた。
レースも終盤に入ると先頭のベッテルは完全にレースをコントロール。ハミルトンとの差を10秒近く保ちチェッカーを目指す。一方、アロンソの追い上げを受けていた3番手のウエーバーは41周目に行った3回目のピットストップでそのポジションを守ったものの、アウトラップでコースオフするミスをおかしタイムをロス。その直後に最後のタイヤ交換を終えたアロンソに先行を許してしまった。
結局レースはベッテルが圧倒的な速さを見せて58周目のトップチェッカーを受け、ポール・トゥ・ウイン!2位はハミルトンとなり、3位には終盤追い上げてきたアロンソの猛追を振り切ったルノーのペトロフが入り、自身初の表彰合を獲得した。以下はアロンソ、ウエーバー、バトンとなり、ザウバーの可夢偉も8位入賞を果たした。また、このレースを唯一1回ストップで走りきったチームメイトの新人ペレスが可夢偉を上回る7位でチェッカーを受けている。