2011年F1第18戦アブダビGPは現地時間13日にヤス島にあるヤス・マリーナ・サーキットで55周(1周/5.554 km)の決勝レースが行われ、マクラーレンのルイス・ハミルトンが今季3勝目を挙げた。小林可夢偉(ザウバー)は10位に入り、8戦ぶりにポイントを手にした。
現地時間17時スタートというトワイライトレースのアブダビGP決勝は、気温26度、路面温度31度というドライコンディションでスタートを迎えた。
そのレースは、スタート直後にいきなりの波乱が訪れる。ポールポジションから先頭で1コーナーに飛び込んだ王者セバスチャン・ベッテルが続く2コーナーでリヤを滑らせスピンオフ。右リヤタイヤのパンクを喫したベッテルは、なんとか自力でピットまで戻ったが、レース続行は不可能な状態となり、ここでマシンを降りてしまう。
これでベッテル不在となったレースは、2番手スタートのハミルトンがリードを奪い、オープニングラップでジェンソン・バトンを交わしたフェラーリのフェルナンド・アロンソのふたりが2秒前後の差でマッチレースを繰り広げる。ふたりは16周目の同時ピットイン後も接戦を展開。辺りが暗闇に包まれたレース中盤に、ふたりの差は一旦5秒にまで広がったが、その後持ち直した2番手のアロンソは、2回目のピットストップで逆転可能な位置で最後のピットインを迎えた。
しかし、このピットストップでアロンソはやや作業タイムをロス。ピットロードでHRTの後ろについたことも重なって逆転できず、逆にトップをキープしたハミルトンは、終盤もレースをコントロールして、そのまま今季3回目となるトップチェッカーを受けた。
一方、オープニングで3番手に順位を下げたバトンは、序盤からトップの2台についていくことができず、中盤以降はフェリペ・マッサ、マーク・ウエーバーと表彰台をかけたバトルを展開。一時はマッサに1秒以内に迫られたものの、なんとかポジションを守ったバトンは、終盤にペースを回復し、3位でフィニッシュした。
最終ラップに3回目のピットストップを行う作戦に出たウエーバーが4位。今季初の表彰台が見えていたマッサは、終盤ソフトタイヤでファステストラップを連発したウエーバーに追い上げられると、単独スピンやコース上に落ちていたパーツを踏むなどリズムを乱し、結局5位に終わった。
中団グループでは、フォース・インディア2台が8位と9位を獲得。ポール・ディ・レスタは1回ストップ作戦を成功させた。
5周目と33周目という早めの2回ストップ作戦を敢行したザウバーの小林可夢偉は、狙い通りトップ10のすぐ後ろまでポジションを上げると、残り10周をきった47周目にチームメイトのセルジオ・ペレスをDRSを使ってオーバーテイクし、トップ10圏内に進出。1周遅れながら10位でフィニッシュした可夢偉は、ドイツGP(第10戦)以来となるポイントを獲得している。
