ホンダは7日、東京・青山で2014年のモータースポーツ活動計画発表会を開催し、今季スーパーGT500クラスに参戦するチームの体制、ドライバーラインナップについて発表した。
今季はDTMドイツツーリングカー選手権と車両規則が統一され、3メーカーとも新たな車両を投入するGT500クラス。ホンダは新規定に準拠したマシンではなく、あえてFR用のモノコックを使用して製作したミッドシップ車両、ホンダNSXコンセプト-GTを投入する。
すでに8月のお披露目以来テストが繰り返され、1月には各チームへのデリバリーへも開始されより実戦仕様に近づいたNSXコンセプト-GTがテストで走行しているが、発表されたドライバーラインナップもまた新しい要素が加えられることになった。
チーム体制は昨年までと同様の5チーム5台だが、ドライバーは4チームで変更となった。そんな中でも最も注目と言えるのは、2004年に国際F3000の最後のチャンピオンに輝き、2005年から11年までレッドブルやトロロッソ、フォース・インディア等に所属しF1で戦ってきたビタントニオ・リウッツィの加入だ。
リウッツィはF1のシートを失った後、イタリアのツーリングカーレースであるスーパースターズ・シリーズや、WEC世界耐久選手権に参戦。今季からは新たに日本に戦いの場を求めることになり、ARTA Projectでラルフ・ファーマンに代わり、松浦孝亮とコンビを組むことになった。
また、童夢は契約を解除したフレデリック・マコウィッキに代わり、スポーツカーレースで多くの経験をもつジャン-カール・ベルネイを起用することになった。ベルネイは昨年もスーパーフォーミュラのテストに参加しており、今季はスーパーGTデビューを飾ることになる。チームメイトは山本尚貴だ。
一方、道上龍に代わってNAKAJIMA RACINGに加入したのは、昨年WECでLMP2クラスのチャンピオンを獲得したベルトラン・バゲット。バゲットは2009年にルノーF1のテストを行い、シート候補にも名前が上がったが、その後インディカーやWECに参戦した実績をもつ。バゲットは中嶋大祐とコンビを組む。
また、伊沢拓也が今季GP2に参戦することになり空いたチーム国光のシートには、昨年のGT300チャンピオンである武藤英紀が座ることになった。武藤は2011年以来のGT500復帰で、小暮卓史がチームメイトとなる。
唯一、金石年弘/塚越広大組のKEIHIN REAL RACINGはコンビを継続するが、他の4台でドライバーが変更になり、また海外で多くの実績を残してきた外国人ドライバーを起用するなど、ホンダは新時代のスーパーGTに向け、強力な布陣を揃えることとなった。