ホンダは18日、鈴鹿サーキットで2010年のスーパーGT500クラスに参戦するHSV-010 GTを報道陣に初めてお披露目した。開発に2年をかけたFRレイアウトのニューマシンが、初めて公にその姿を現すこととなった。

 スーパーGTの合同テストが行われる前日の18日に、鈴鹿サーキットのピット棟2階で行われた発表会には数多くの報道陣のほか、GTアソシエイションの坂東正明代表、そしてHSV-010 GTを走らせる5チームの監督、ドライバーも姿をみせた。

 発表されたHSV-010 GTについて、新たに“ホンダGTプロジェクト”という名称となったGTマシン開発チームの瀧敬之介プロジェクトリーダーから開発の説明があった。瀧プロジェクトリーダーによれば、HSV-010 GTは「NSXの歴史で培った技術をもとに、“扱いやすい高性能”を“技術”で創る」をコンセプトに開発。目指したのはNSXを越える究極のコーナリングマシンで、モータースポーツの原点である速さを追求し、“Honda Sports Velocity”の名称がつけられたとのことだ。

 基本的な信頼性を重視した結果、多くのパーツがNSX-GTから継続されているというが、初めて使うことになるプロペラシャフト(CTG製)や、NSXで培ったフレーム構造の技術などが盛り込まれ、“高剛性”と“素直な特性”を併せ持つ。また、フォーミュラ・ニッポン用のHR09Eをベースに開発されたHR10EGエンジンはフリクションや燃焼効率の改善、吸排気系を最適化し、スーパーGT仕様に改良。「特にサウンドにこだわった」というエキゾースト、キャタライザーの取り回しで、エキゾーストノートと出力を両立させたという。

 HSV-010 GTにはその他にも注目の技術が盛り込まれており、作業性を重視したボンネットピンや、「ドライバーの視界を検討しながら採用した」というフロントウインドウのV字パイプなどが特徴的。EPSON HSV-010 GTをドライブすることになる中山友貴によれば、「走っているときはまったく気にならない」と語る。

 19日からスタートする3メーカーの合同テストでは、HSV-010 GTが5台走行する予定。GT-RやSC430と同じタイミングで走行するのは初めてで、そのポテンシャルに注目が集まる。

■Honda HSV-010 GT 車両諸元

寸法・重量
全長×全幅×全高(m):4.675×2.000×公表せず
ホイールベース(m):2.700
車両重量(kg):1100以上

エンジン
エンジン型式:HR10EG
エンジン種類・シリンダー数及び配置:水冷V型8気筒縦置
Vアングル(°):90
弁機構:DOHC ギア駆動:吸気2 排気2
総排気量(cm3):3397
内径×行径(mm):93.0×62.5
圧縮比:公表せず
最大出力(kW[PS]):370(500)以上
最大トルク(N・m[kg・m]):392(40.0)以上
スロットル制御方式:機械式
燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射装置(ホンダPGM-FI)
使用燃料種類:無鉛プレミアムガソリン
潤滑方式:ドライサンプ方式

動力伝達・走行装置
変速機形式:常時噛合式
変速機操作形式:ステアリング:パドルシフト式
ステアリング装置形式:ラック&ピニオン式(EPS付)
タイヤ(前・後):330/40R18・330/45R17
主ブレーキの種類・形式(前/後):油圧式ベンチレーテッドディスク
サスペンション方式(前/後):ダブルウィッシュボーン式
スタビライザー形式(前/後):トーションバー式

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