WTCC世界ツーリングカー選手権第3・4戦の決勝が7日、マラケシュ(モロッコ)のストリートサーキットで行われ、ダブルヘッダーの第3戦はミシェル・ニュケア(シボレー・クルーズ)が初優勝を飾り、第4戦では18歳のスペイン人ドライバー、ペペ・オリオラ(セアト・レオンWTCC)が史上最年少でのWTCC初優勝を記録した。
ホンダの初ポールから一夜明け、ドライコンディションでのスタートを迎えた注目の第3戦。ポールシッターのガブリエル・タルキーニ(シビックWTCC)は、オープニングラップのトップを守ることに成功し、ホンダの初優勝に向けまずは無難なスタートを切った。
しかし、レースは陣営の思惑通りとはならず、序盤からシボレー勢がシビックを上回るスピードを発揮。スタート直後に2番手に浮上したニュケアのクルーズが再三にわたってオーバーテイクを仕掛ける展開となった。これで早くも防戦一方に追い込まれたシビックは、ベテランのタルキーニが毎周のピンチを凌いでいたが、6周目のストレートでついにニュケアの先行を許し、2番手に後退してしまう。
すると、それとほぼ同じタイミングでチームメイトのティアゴ・モンテイロが後続で大きなクラッシュを演じ、マシンはタイヤが外れるほど大破。すぐにイエローフラッグが振られセーフティカーも出動したが、マシンの回収には大幅な時間がかかってしまい、10周のレースは13周へと延長される措置がとられた。
結局、レースが再開したのは残り2周になってから。ここで2番手のタルキーニはうまくリスタートを決めることができず、期待された逆転はならなかった。結果、ニュケアが初のトップチェッカーを受け、タルキーニは2位でフィニッシュ。イバン・ミューラー(シボレー・クルーズ)を退けたジェームス・ナッシュ(シボレー・クルーズ)も初の表彰台を手に入れた。
続けて行われた第4戦は、前戦でのダメージを修復できなかったモンテイロがグリッドにつくことができず、タルキーニもリバースグリッドによって10番手からスタートすることになった。すると、このレースもクラッシュによるセーフティカー出動で周回数の延長が図られたが、その原因となったのはなんとタルキーニの駆るシビックだった。
レース序盤からアレックス・マクドゥエル(シボレー・クルーズ)と激しい6番手争いを繰り広げていたタルキーニは、8周目のシケインでサイド・バイ・サイドのままショートカット防止用の縁石に乗り上げてしまい、マクドゥエルとともにコンクリートウォールの餌食となってしまう。
この影響でまたも優勝争いはセーフティカー明けの残り1周で決着することになったが、先頭を守るオリオラは2番手ミューラーの激しいプレッシャーを慎重に退け、そのまま史上最年少でのWTCC初優勝を決めた。2位はミューラー、3位にはトム・チルトン(シボレー・クルーズ)が入っている。