「ライバルたちが予選になって大きくタイムを上げたのに対して、私たちはそこまで上げることができなかった。金曜日のフリー走行ではいい感じで、予選はもう少し戦えると思っていたから少し残念だ。どうして予選でライバルとのギャップが開いてしまったのか、その理由を見つけなければならない」

 土曜日の夕方に行われたマクラーレンの会見に出席したバトンは、そう言って17位に終わった中国GPの予選を振り返った。確かに金曜日のフリー走行でバトンは1分39秒275と、10番手のタイムを記録。「マシンのフィーリングはいい。マレーシアGPから、さらに進化している。今週末が楽しみだ」と語っていた。12番手に終わったアロンソもニュータイヤを履いてのアタック中にフェリペ・マッサがクラッシュしてアタックを断念するという不利を被りながら記録したタイムで、金曜日の時点ではバトンと同様、つまりトップ10内のスピードを披露していた。

 だが、バトンは金曜日の時点で同時に、こうも漏らしていた。

「気をつけなければならないのは、僕らがマシンから最大限の性能を引き出したのに対し、ライバルたちは余裕を残しているかもしれないということだ」

 金曜日にバトンと同様の意見を表明していたのが、ホンダの新井総責任者だった。金曜日のセッション後、「この調子なら土曜日の予選でQ2進出は楽観的なように見えますが……」と尋ねると、新井総責任者は「まったく、そうは思っていません。だってライバル勢だって、いろんなことやってきますから」と、すぐさま否定したのである。

 果たして予選は、バトンが金曜日のベストタイムとほとんど同じ1分39秒276に終わり、アロンソは金曜日からコンマ5秒上げて1分39秒280をマークしたものの、初日に彼らより後方に沈んでいたトロロッソ勢、フォース・インディア勢が軒並みタイムアップしたため、Q2へ進出することはできなかった。バトン17位、アロンソ18位という予選順位は、2週間前のマレーシアGPと同じだ。

 マクラーレンのエリック・ブーリエ(レーシングディレクター)は言う。

「順位だけを見れば、確かにマレーシアGPと同じで、もちろん満足するわけにはいかない。だからといって我々が2週間前とまったく同じだというわけではないことは言っておきたい。マレーシアではトップから2.367秒のギャップだったのに対して、中国では1.774秒に縮まったんだから」

 それを聞いていたアロンソも続けた。

「Q2進出まで、あと0.2秒だった。もう少しだ。もちろん、まだまだ十分じゃないけど一歩前進したことは確かだ。だからQ1落ちでも、私はポジティブだ」

 予選でライバル勢がひねり出す一発の速さに遅れをとったマクラーレン・ホンダ。課題を真摯に受け止め、いまは日曜日のレースで完走することに集中している。

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