November 15 2015, RACE
SUPER GT Round 8
ツインリンクもてぎ

#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)が3位表彰台でシリーズランキング3位を獲得

2015年11月15日(日)・決勝
会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)
天候:雨のち晴れ
気温:16℃(13:40時点)
路面温度:18℃(13:40時点)
コースコンディション:ウエットのちドライ
観客:3万3000人

 11月15日(日)、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎにおいて、2015 オートバックス SUPER GT第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝レースが行われました。

 14日(土)に行われた予選では、ウエットコンディションの中、#64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)が2番グリッドを獲得。#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)も3番グリッドを得てこれに続きました。なお、山本選手と伊沢選手はチャンピオン争いのドライバー部門でポイントリーダーと17点差の5番手につけており、逆転チャンピオンの可能性をわずかながら残して本日の決勝レースに臨みます。さらに#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/武藤英紀組)は9番グリッド、#8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮/野尻智紀組)は14番グリッド、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/オリバー・ターベイ組)は15番グリッドからシーズン最後の戦いに挑みます。

 スタートドライバーを務めるのは、#64 Epson NSX CONCEPT-GTはバゲット選手、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは山本選手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは武藤選手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは松浦選手、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTはターベイ選手となります。

 金曜日の夜から降り続いていた雨は昼前に上がったため、コースコンディションは昨日のウエットからセミウエットもしくはドライに転じることが予想されました。しかし、ウォーミングアップ終了後に雨脚の強い通り雨が降ったため、路面は再び濡れてしまいました。この雨はすぐに止み、間もなく青空が広がり始めます。このため、スタートにはレインタイヤで臨まなければいけないものの、レース中にスリックタイヤへの交換が必要になることが予想されました。

 午後1時40分、1周のパレードラップと1周のフォーメーションラップに続き、ローリングスタートによって52周のレースが幕を開けました。その直後には好スタートを切った3番手の#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTが前を走る#64 Epson NSX CONCEPT-GTとサイド・バイ・サイドを演じるシーンもありましたが、間もなく#64 Epson NSX CONCEPT-GTは#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTをリードし始め、トップを走るライバルを追い上げていきました。

 これと前後して、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは後方から迫ってきたライバルと接触し、4コーナーでスピン。すぐに再スタートを切りましたが、最後尾まで後退することになります。

 オープニングラップを終えた段階で、Honda勢のトップは2番手の#64 Epson NSX CONCEPT-GTで、これに続いたのは3番手の#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。以下、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは13番手、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは14番手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは15番手となっていました。

 #8 ARTA NSX CONCEPT-GTに乗る松浦選手は序盤から積極的なレース運びで、2周目には11番手、5周目には10番手、6周目には9番手に浮上するとともに、その後は8番手を走るライバルに迫って7番手争いを演じ始めます。

 いったんは最後尾まで後退した#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTもペースは速く、10周目までに11番手へポジションを上げます。その後、さらに2台をオーバーテイクし、15周目には9番手となりました。

 この頃になると路面は次第に乾き始め、トップグループのラップタイムはスリックタイヤに交換する目安となる1分50秒に迫りました。ただし、レース距離の3分の1に相当する18周を走りきらないうちにドライバー交代を行うと、規則によりフィニッシュまでにもう1度ドライバー交代を行わなければならなくなるため、各チームとも18周過ぎまでピットストップを見合わせました。

 19周目になると早くもピットストップを行うチームが現れます。Honda勢も26周目までに続々とピットストップを行いました。ところが、ピットストップを引き延ばしていた#64 Epson NSX CONCEPT-GTが暫定トップに浮上したところ、他車のアクシデントによりマシンのパーツがコース上に散乱したため、26周目にセーフティカーが出動することになります。このため、#64 Epson NSX CONCEPT-GTはセーフティカー先導中にピットインが認められるようになった直後の29周目でピットストップを実施。作業を終えたときにはトップから8番手まで後退することとなりました。

 後半を受け持つドライバーは、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは伊沢選手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは野尻選手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは塚越選手、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは小暮選手、#64 Epson NSX CONCEPT-GTは中嶋選手です。

 セーフティカーランに伴い、クラスごとに整列を行った際、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTはトップに立った#64 Epson NSX CONCEPT-GTの直後につけていたため、周回遅れとみなされます。この影響で上位グループへの返り咲きは困難な状況となりました。

 31周目、レースが再開されます。この直後、#64 Epson NSX CONCEPT-GTはS字コーナーでスピンを喫し、最後尾まで後退しました。32周目における順位は、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの3番手がHonda勢のトップで、以下、#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは6番手、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは8番手、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは9番手、#64 Epson NSX CONCEPT-GTは13番手となっていました。

 レース再開後、トップ6は3秒ほどのタイム差で抜きつ抜かれつのバトルを演じることになります。しかも、バトルをしながら周回を重ねるGT300クラスの車両がこれに加わるため、10台以上のGTマシンがコース上で複雑に絡み合いながら走行する場面もありました。#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTもトップ争いのグループで53周目のチェッカーフラッグまで攻め続けました。その結果、#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは3位でフィニッシュ。そして#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTは7位、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GTは8位、#8 ARTA NSX CONCEPT-GTは11位、#64 Epson NSX CONCEPT-GTは13位でレースを終えました。

 ドライバー部門のシリーズランキングにおいて、シーズン通算で60点を獲得した山本選手と伊沢選手は総合3位となりました。Honda勢でこれに続いたのは、通算39点を獲得して8位となった塚越選手と武藤選手で、さらに通算26点を獲得した小暮選手とターベイ選手は12位、10点を獲得した松浦選手と野尻選手は14位、4点を獲得した中嶋選手とバゲット選手は15位となりました。

 優勝は#37KeePer TOM'S RC F(A.カルダレッリ/平川亮組)で、#1MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生選手とロニー・クインタレッリ選手が、2年連続でドライバーズランキングのチャンピオンに輝きました。

 一方、GT300クラスでは今シーズン限りで参戦を終了する#55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が、13番手スタートから3位と7.7秒差の4位でフィニッシュしました。

 これでSUPER GTは2015年シーズンの全日程を終了し、今後は来シーズンに向けた準備に取り組むこととなります。

松本雅彦 | Honda GTプロジェクトリーダー
「#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがよく健闘して3位入賞を果たしてくれました。あのポジションまでいくと、どうしても優勝を期待したくなりますが、レース終盤はマシンのコンディションが完ぺきではなく、2人のドライバーは最善を尽くしてくれたものと考えています。#64 Epson NSX CONCEPT-GTにも表彰台獲得のチャンスはありましたが、残念な結果となりました。総じて、マシンのポテンシャルはあったと思いますが、さまざまな不運などが重なってそれを成績に結びつけることができませんでした。こうした経験を踏まえ、来シーズンに向けてさらに体制の強化、マシンの改良に取り組んでいきますので、引き続きのご声援をどうぞよろしくお願い申し上げます」

山本尚貴選手(3位 #100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT)
「路面コンディションが目まぐるしく変化する中、最後まで粘り強く戦い、3位表彰台を手に入れることができました。欲をいえば、優勝もしたかったしタイトルも獲りたかったのですが、自分たちの持っているものを出しきったという意味では、いい戦いができたと思います。最終戦をいい形で終えられたかどうかは、翌年の準備を進める上でとても大切なので、来シーズンは開幕戦からタイトル目指して全力で戦えるよう、さらに力を養いたいと考えています」

伊沢拓也選手(3位 #100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT)
「最終的にトップの1.4秒差まで迫れたので、自分としては絶対に勝つつもりでしたが、結果的に優勝することができず、とても悔しく思っています。ただし、ランキング3位でシリーズを終えられたのは、チームとドライバーが精一杯がんばった結果だと捉えています。その部分は素直に喜んだ上で、来年は、今年取れなかったものを手に入れられるよう、しっかりと準備を進めていくつもりです」

小暮卓史選手(7位 #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「15番手スタートから7位まで上がってこられたという意味では手応えをつかむことができました。ただし、一時5番手まで浮上していながら7位に終わったことは残念です。レース後半のバトルはエキサイティングで、とても楽しめましたが、アンダーステアが出てしまって攻めきれませんでした。今シーズンは、いくつかのレースで速さを示すことができましたが、それらを結果に結びつけられなかったのは残念でした。ただし、まだチーム設立1年目なので、来シーズンに向けてさらに改善を図っていきたいと思います」

オリバー・ターベイ選手(7位 #15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT)
「いいレースでした。スタート直前に雨が降って路面を濡らしましたが、チームはハードコンパウンドのレインタイヤでスタートするといういい判断を下しました。最初のスティントを担当した私は、タイヤのウォームアップに手こずりましたが、ひとたびタイヤが温まってからはいいペースで走ることができました。今年は初めてのSUPER GT参戦で、たくさんのことを学びました。この経験を活かし、来シーズンも参戦できればと期待しています」

塚越広大選手(8位 #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「スタート直後にスピンを喫した上に、ピットストップの際にエンジンがストールしてしまいました。この影響でトップを走るマシンの直後につける形になり、ここでセーフティーカーが出動したため周回遅れとされました。それさえなければ、もっとおもしろいレースをお見せできたはずなので、とても残念です。今シーズンはいろいろな意味で流れに恵まれなかったので、来年はそうならないようにしっかり準備して臨みたいと思います」

武藤英紀選手(8位 #17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT)
「スタート直後に後方から迫ってきたライバルと接触し、スピンしてしまいました。ただし、自分のほうが完全に前に出ていたので、自分にはコントロールすることのできないアクシデントだったと捉えています。その後はいいペースで追い上げることができましたが、ピットストップのタイミングにより周回遅れとなってしまいました。タイヤとマシンの調子がよかっただけに、今日の結果は残念です」

本日のレースクイーン

佐々木美乃里ささきみのり
2025年 / スーパーGT
KeePer Angels
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技【最難関は最初にやってくる】FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年1月号 No.1615

    ネクスト・フォーミュラ 2026
    F1からカートまで
    “次世代シングルシーター”に胸騒ぎ

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円