レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1ニュース

投稿日: 2015.05.30 00:00
更新日: 2018.02.17 08:21

ホンダ甘口/辛口、ダブル評価・モナコGP編


   復活したマクラーレン・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レースごとに、週末のマクラーレン・ホンダのコース内外の活躍を批評します。今回は新生マクラーレン・ホンダとしてシーズン初ポイントを獲得した第6戦モナコGPを、ふたつの視点でジャッジ。

———————————-
甘口編
新生マクラーレン・ホンダ初入賞
目指す頂上へ、自分たちの信じる道を再確認

 マクラーレン・ホンダのスタッフが今シーズンたびたび口にしてきた表現がある。それは、F1という戦いを登山にたとえた比喩だ。
「われわれが登ろうとしている山は世界一高く、その道はまだだれもチャレンジしたことがない険しいものだ。だから、進むには忍耐が必要だ」(ロン・デニス/開幕前)
「われわれの目の前には登るべき山があり、それはかなり険しいですが、必ず登ってみせます」(エリック・ブーリエ/バーレーンGP後)

 山登りでもっとも難しいことは、どのルートを選択するかだ。なぜなら一度、山を登り始めると、その道がどこへ続いているのか把握しづらい状況となるからだ。メルセデスAMGのように、昨年頂点を極めた者は同じ道を歩めばいいが、ほかのチームはメルセデスAMGと同じルートで登山をしても、メルセデスAMGを追い越せはしない。メルセデスAMGよりも早く頂点へ到達するには、独自のルートを開拓しなくてはならない。

 しかし、そのルートが正しい道かどうかは、頂点にたどりつかないとわからない。しかも、今シーズン、新たにコンビを組むことになったマクラーレン・ホンダには昨年登った道はないので、現在登っているペースがいいのか悪いのかさえ、つかみづらい状況である。

 もちろん、マクラーレン・ホンダのスタッフに疑念はない。「自分たちが選択した道は間違いない」と皆、信じている。それでも、人間であれば結果が出ないと不安になるのは当然である。不安になれば、士気が下がる。これが勝ち続けるチームとなかなか勝てないチームの差が大きくなる理由だ。