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投稿日: 2011.06.27 00:00
更新日: 2018.02.23 12:27

ポルシェWCは100台を退けレネ・ラストが優勝


ポルシェ カレラ ワールドカップ レースレポート
レネ・ラストがポルシェ史上最大のレースで勝利を収める

 ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)が6月25日に開催した世界最大のワンメイクレース、ポルシェ カレラワールドカップ(PCWC)において、#1レネ・ラストが世界25カ国から参戦した100台のライバルを退け、見事優勝を果たしました。

 朝から降り続く雨により路面がグリップしないというタフなコンディションのもと、ドイツ出身のラストは2位を走行するチームメイト、#2ノルベルト・シードラー(オーストリア)より1.9秒早くチェッカーフラッグを受けました。3位には#815ランス・デビッド・アーノルド(ドイツ)が入りました。

 初開催のPCWCは大成功のうちに幕を閉じました。ドライバーたちは世界で最も厳しく美しいコースへのチャレンジに歓喜し、ファンはモータースポーツ史上最も素晴らしいワンメイクレースに興奮を隠すことができませんでした。

 ポルシェAGの社長、マティアス・ミューラーは、他の役員たちと共にPWCWを観戦し、「スリリングなレースでした。レースの後、多くのドライバーから次回のPCWC開催について尋ねられました。私の思いも彼らと同じです。ただし、次回はもっと良いコンディションでのレースになるといいですね」と語りました。

 ヴァイザッハ研究開発センターの責任者であるヴォルフガング・ハッツは「100台の911 GT3 カップが目の前で繰り広げたバトルに、心の底から魅了されました。PCWCの開催により、我々ポルシェが他に類を見ないユニークなブランドであることを世界に向けて発信できたと思います」とコメントしています。

 モータースポーツ史上、最大とも言えるPCWCは物流の面においても、大きなチャレンジを伴いました。グローバルパートナーであるミシュランは550セットのスリックとウェットタイヤをアイフェルに持ち込みました。ポルシェ モービル1スーパーカップだけでなくカレラカップ ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スカンジナビアにおいて、PCWCはチャンピオンシップを争うシリーズの1戦として行われました。25.380kmのコースを6周で争われたPCWCに参戦したすべての911 GT3 カップにはグローバルパートナー、モービル1のエンジンオイルが使用されています。

 ただでさえ厳しい事で知られるコースに降り続いた雨は、レースをさらに難しいものにしました。グリーンシグナルから絶妙のスタートを決めたポールシッター、#2シードラーはそのままレースを引っ張って行くものと思えましたが、オープニングラップで#1ラストがチームメイトからトップを奪い、後ろを振り返る事なくチェッカーを受けました。しかしモービル1スーパーカップのディフェンディングチャンピオンである#1ラストのキャリアにおけるもっとも輝かしい勝利は、決して楽なものでは無かったのです。#2シードラーは終始ラストにプレッシャーを与え続け、4周目を終えた時点でその差はわずか0.3秒でした。#3ニック・タンディ(イギリス)は、アーレンベルグコーナーで

 #2シードラーをパスしようと試みましたがブレーキングの遅れからカードレールに激突しリタイヤとなりました。ポルシェ カレラカップ ドイツのチャンピオン候補、#203ウーベ・アルツェン(ドイツ)にも悪夢は訪れました。スタートしてすぐ、アルツェンはトップを伺う好位置につけましたが、勢い余ってコースオフ。ホイールが外れピットインを余儀なくされました。

 2007年から2009年モデルの911 GT3 カップで争われたカテゴリー2でも、カテゴリー1に劣らぬバトル各所で繰り広げられました。最後に笑ったのは#816ティモ・ランプケル(ドイツ)でした。普段はモービル1スーパーカップでチーム監督としてシリーズに参加する彼はカテゴリー1の勝者であるラストと同様に、優勝賞金11,000ユーロとチュードルの腕時計が授与されています。

 #815デビッド・アーノルドの勝利に対する欲求は、 レースをよりスリリングなものにしました。アーノルドは 前を走る2台を最後まで追い続けたのです。ニュルブルクリンクで豊富な経験を誇るこのドイツ人は、自身にとって今シーズンのスーパーカップ最高位となる3位を走行していた#16ショーン・エドワード(イギリス)をレースでもっともスペクタクルなオーバーテイクでパスした後、猛烈な追い上げを見せました。レース終了時、勝者であるラストとアーノルドの差はわずか3.6秒でした。

 #2ノルベルト・シードラーは、一瞬も諦めること無くトップの座をうかがいました。レース終盤、ヴルンヘン コーナーでミスを喫し飛び出しそうになりましたが、必至にこらえて無事ゴールに辿り着きました。レースを無事完走したのは74台でしたが、2人のプリンス、スウェーデンの#513カール・フィリップ王子とサウジアラビア王室の#811ブドルアジーズ・アール・ファイサルがチェッカーフラッグを見る事はありませんでした。

これまで109勝をあげ、もっとも成功したポルシェ ワンメイクレースのドライバーとして知られる#200クレイグ・ベアード(ニュージーランド)は38位でレースを終えました。同じくVIPカーをドライブした「世界最速のママ」#810メラニー・スノーはノルドシュライフでの初レースで洗礼を受けリタイヤとなりました。

レース後のコメント

#1レネ・ラスト(優勝)
「ポルシェの歴史上、もっとも偉大なレースで優勝出来たなんて信じられません。1周目にチームメイトのノルベルトをパスしてトップに立った後はレースをコントロールすることを心がけました。勝因は1つのミスも犯さなかったことです。ニュルブルクリンクを経験したことのなかった私にとって、グリップレベルを適切に判断することは難しかったので、慎重にドライブすることを第一に走り続けました。」

#2ノルベルト・シードラー(2位)
「この素晴らしいレースを2位で終える事が出来て嬉しく思います。レネのスピードは目を見張るもので、的確に私をオーバーテイクして行きました。途中、彼のペースを上回るほどプッシュもしたのですが、リタイヤするリスクよりも安全に2位でのフィニッシュを選択したのです。」

#815ランス・デビッド・アーノルド(3位)
「今まで参戦したレースの中でもっとも凄いレースでした。雨の中、GT3カップをノルドシュライフでドライブするのは、本当に楽しかったです。私にとって、今までで間違いなくベストレースです。ショーン・エドワードをオーバーテイクしたのは大きなリスクを伴いました。事実、あと少しでコースアウトをするところでした。それでもドッティンガーヘーフェで訪れたチャンスを見逃したくはなかったのです。8番手からのスタートでポディウムに登ることが出来たので大満足です。」


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