マクラーレンは、ルイス・ハミルトンとの契約延長に関し、ハミルトン側が提示する金額に難色を示しており、もし交渉が成立しなかった場合にはポール・ディ・レスタを起用することを考えているといわれている。
ハミルトンとマクラーレンの現在の契約は今年末で切れる。マクラーレン側がハミルトンに5年間1億ポンド(約120億円)のオファーをすることを決め、ボーナスと併せるとハミルトンは現役トップのサラリーを得ることになるとの報道が先週なされた。
しかし実際のところは、マクラーレンはまだそういった決断を下したわけではないようだ。ハミルトンのマネジメントを担当するXIXエンターテインメントは、それぐらいの規模の契約を結ぼうとしているものの、マクラーレン側は金額が高すぎると考えていると見られる。
今年ミスが頻発しているマクラーレンとハミルトンの関係は現段階であまりよくないようだ。モナコGPのレース中、ハミルトンがチームに無線で激しく抗議する場面が見られ、レース後にもチームへの批判を口にしている。
マクラーレンは、ハミルトンとの交渉が決裂した場合の後任候補としてディ・レスタを考えているといわれている。マクラーレンのチームプリンシパル、マーティン・ウィットマーシュはディ・レスタをF1デビュー前から高く評価している。
ディ・レスタは現在所属するフォース・インディアと来季の契約を結んでいる。しかしフォース・インディアのチームプリンシパル、ビジャイ・マルヤは、ディ・レスタもチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグも、相応の補償金が支払われれば、他チームに移籍することを許すと示唆している。
マクラーレンとディ・レスタ側とはまだ移籍についての話し合いを行っていないようだ。ディ・レスタのマネージャーは、ルイスの父親のアンソニー・ハミルトンだ。両者の話し合いがなされるのは、XIXエンターテインメントとの話し合いが決裂した後になり、早くても8月の夏休み以降になりそうだ。
ディ・レスタには、メルセデスとフェラーリも関心を持っている。
メルセデスのCEOニック・フライは、ミハエル・シューマッハーが来季残留しない場合ディ・レスタは有力な後任候補であるとコメントしている。