ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスは18日、2009年F1ワールドチャンピオンであるジェンソン・バトンと複数年におよぶ契約を結んだと発表した。これで10年のマクラーレンはバトン、そしてルイス・ハミルトンというふたりのイギリス人ドライバーのコンビとなる。
2年間でチャンピオンを獲得したふたりのドライバーが同時にコンビを組むのはF1史上初(マクラーレンの発表による)。また、イギリス人のワールドチャンピオン獲得ドライバーがコンビを組むのは、1968年のロータス(グラハム・ヒル/ジム・クラークのコンビ)以来2度目という豪華「ブリティッシュドリームチーム」が誕生する事となった。
ホンダF1時代から長年在籍したチームを去ることになったバトンは、マクラーレンの発表したリリースの中で「長く所属したチームを離れることは本当に難しい決断だった」と語る。「でも、人生はいつもチャレンジだ。ブラウンGPでチャンピオンを獲得したことは生涯忘れないけど、僕はこれから新しいチャレンジを始めるんだ」
「ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスはこのスポーツの中でも最も偉大なチームのひとつで、エマーソン・フィッティパルディやジェームス・ハント、ニキ・ラウダ、アラン・プロスト、アイルトン・セナ、ミカ・ハッキネン、そして僕の新しいチームメイトとなるルイス・ハミルトンという偉大なチャンピオンを生み出してきた。僕が赤ん坊の頃から知っているチームの一部になるなんて、信じられない気持ちだよ」とバトンは興奮を語る。
「そして、ともに過ごしたブラウンGPの仲間が、メルセデス・グランプリとして活躍することを祈っている。同様に、彼らが僕がマクラーレンで活躍することを祈っていてくれてほしい」
バトンをチームに迎えることとなったチーム代表のマーティン・ウィットマーシュは「ジェンソンをチームに迎えることができて、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスの全員が喜んでいる。私の信条として、その時のベストのドライバーふたりを揃えるということがあるが、今回ジェンソンとルイスという最も競争力があり、プロフェッショナルで尊敬できるドライバーを揃えることができた」とバトンに対して歓迎のコメントをしている。
また、チームメイトとなるルイス・ハミルトンも「チームにジェンソンが加わるというニュースはとてもファンタスティックだ。2010年、いっしょにチャンピオンを争うために仕事をするのが今から楽しみだよ。そして、2008年、09年とチームを支えてくれた友人のヘイキ・コバライネンに感謝したい」とコメントしている。
バトンは2000年にウイリアムズからF1デビュー。その後ルノー(ベネトン)、BAR(ホンダ)を経て、ホンダF1撤退後、2009年にブラウンGPで初のチャンピオンを獲得した。