マクラーレンは17日、GT3規定を採用した『マクラーレンMP4-12C GT3』をヨーロッパのプライベーター向けに販売、スポーツカーレースに復帰すると正式に発表した。2011年は開発のためにいくつかの限定したレースに出場、2012年から販売を行うという。
1990年代中盤にスポーツカーレースを席巻したGTカー、マクラーレンF1 GTRのデビュー、ル・マン24時間での勝利から15年を経て、マクラーレン製のスポーツカーがサーキットに戻ってくることとなった。
「レースは我々の血だ。MP4-12Cからレースカーを開発することは、我々にとって自然な成り行きだった」と語るのは、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス代表のマーティン・ウィットマーシュ。
「マクラーレンの名には、世界的なモータースポーツで伝説的な歴史がある。そして、我々の狙いはこのMP4-12C GT3でその伝説を続けることだ。どんなスポーツカーが将来やって来ようとね」
MP4-12Cは、“モノセル”と呼ばれるワンピースカーボンモノコックにマクラーレンが開発した3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載。マクラーレンF1、メルセデスベンツSLRマクラーレンに次ぐマクラーレンが2011年から一般に販売を予定しているスポーツカー。
GT3バージョンはル・マン・シリーズやFIA GT3ヨーロッパ選手権で活躍するCSRレーシングと共同でカスタマーのための販売・サポートが行われる予定で、少数の個体をリーズナブルなランニングコストで提供する予定だという。2011年はその開発のために数レースに参戦、本格的な販売は2012年からの予定とのこと。
日本では来季以降、スーパーGT300クラスでGT3規定車両がプライベーターの主流になっていくと推測され、さらにスーパー耐久では2011年からGT3車両が走れるST-Xクラスが創設されるなど、GT3車両導入の動きが広がっている。流麗なボディを持つMP4-12C GT3をぜひとも日本でも見てみたいところだ。