8日、F1第2戦マレーシアGPが首都クアラルンプールにあるセパン・サーキットで幕を明け、初日のフリー走行1回目はレッドブルのマーク・ウエーバーがトップタイムをマークした。ザウバーの小林可夢偉は14番手につけている。
迎えた今シーズン第2戦の舞台は高温と多湿、そして突然のスコールが波乱を演出してきたマレーシアのセパン・サーキット。1回目となるフリー走行は現地時間の金曜午前10時からで開始時の天候は曇り、気温は27度、路面温度28度、湿度85%のドライコンディションとなった。
今回のマレーシアには開幕戦と同様、プライムとしてハード、オプションとしてソフトタイヤが投入されているが、ピレリは今回ソフトタイヤに金のストライプを追加で施している。これは、サイドウォールの色分けが一部見分けにくいとのクレームに対応したものだが、トルコGPではさらに明確な変更が行われる予定。また、この日2回のフリー走行にはタイヤテストの目的で各チームに2セットずつのエキストラハードタイヤが追加供給されている。
最初のセッッションには3チームがリザーブドライバーを起用。フォース・インディアはポール・ディ・レスタに代えてニコ・ヒュルケンベルグ、トロロッソはセバスチャン・ブエミのマシンにダニエル・リカルドが乗り込み、チーム・ロータスはダビデ・バルセッキがヘイキ・コバライネンのマシンをドライブした。
セッションでは、開始序盤のインスタレーションラップでHRTのナレイン・カーティケヤンが白煙を吹いていきなりストップする。また、各車が走行を始めた25分過ぎにはルノーのニック・ハイドフェルドが計測ラップ直後の1コーナーブレーキングで右フロントタイヤのトラブルに見舞われた。チーム・ロータスのヤルノ・トゥルーリもセッション中盤にリヤウイングのステーが外れるトラブルに見舞われている。
そんななか、セッションをリードしていったのはレッドブルのウエーバーで、終盤残り30分の段階で1分38秒台までタイムを更新。そこにマクラーレンのルイス・ハミルトンが続き、最多周回をいくウイリアムズのパストール・マルドナドが3番手といった順。対照的にフェラーリはセッション後半に入りようやくフェルナンド・アロンソが計測ラップを行い、フェリペ・マッサはタイムのないまま周回を重ねるという状況がしばらく続いた。
セッション残り17分、ここでルノーのもう一台をドライブするビタリー・ペトロフがチームメイトと同じようにブレーキングでフロントタイヤを破損するトラブルに見舞われる。ペトロフのマシンは左フロントのホイール内側が一気に壊れるという衝撃的なものだったが、コントロールを失ったマシンは運良くグラベルでストップし、ペトロフは無事にマシンを降りることができた。このセッションではさらにヴァージンのジェローム・ダンブロジオもルノーと同じようなブレーキが原因と思われるトラブルを起こしている。
90分のセッションは終始タイムシートのトップに立ち続けたウエーバーが1分37秒651でトップ。2番手ハミルトン、3番手にメルセデスGPのミハエル・シューマッハーとなった。27周を重ねたザウバーの可夢偉は1分40秒872で14番手。予選107パーセントルールの突破を目指すHRTはビタントニオ・リウッツィがトップから約8秒遅れの1分45秒台と今回も苦しい状況でのスタートとなっている。