IZODインディカー・シリーズ第9戦『ミルウォーキー・インディフェスト』は14日予選が行われ、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)がポールポジションを獲得。アンドレッティ勢がトップ3を独占、シボレー勢がトップ7を占めた。
今年で創業110周年を迎えた『ザ・ミルウォーキー・マイル』の予選。2回のプラクティスの後に午後4時から24台のマシンによって、連続2ラップのアタックでスターティンググリッドが争われた。最初にコースインしたのは、先週のテキサスで優勝したばかりのエリオ・カストロネベス(ペンスキー)。佐藤琢磨(AJフォイト)は4番目にアタックしたが、2周目のターン4でラインを外れ、あわやクラッシュかというシーンも。それでも琢磨は168.023マイル平均をマークし、カストロネベスからトップの座を奪った。
そのすぐ後にアタックしたジェームズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)は、アタック1ラップめで170マイル台へ。琢磨からトップを奪い、しばらくヒンチクリフがトップのまま予選は続いた。
ホンダエンジン搭載のダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)もスピードが伸びず、9番手にコースインした昨年のミルウォーキー戦ウイナー、ライアン・ハンター・レイ(アンドレッティ・オートスポート)もチームメイトのヒンチクリフに惜しくも届かず。それでもアンドレッティ・オートスポートのワン・ツーがここでひとまず完成し、ハンター-レイのすぐ後にアタックしたEJビソが3番手につけてトップ3独占となった。
さらに、2回のプラクティスでトップタイムをマークしてきたマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)が17番手でコースイン。期待通りにトップに立つ170.515マイルをマークした。
これで1チームによる予選トップ4が完成。そのままグリッド確定になるかとも思われたが、19番手にアタックしたウィル・パワー(ペンスキー)が意地をみせ、170.212マイルで3番手に割って入った。
ポールポジションはアンドレッティが今季初めてで、キャリア3回目。予選2番手はヒンチクリフで、自己ベストタイだ。グリッド2列目にはパワーとハンター-レイが並び、ビソは3列目イン側グリッドに。ビソは6戦連続の予選トップ5入りとなり、そろそろ今年初の表彰台フィニッシュが欲しいところだろう。
そして、ビソの外側グリッドに着くのは大健闘のセバスチャン・サーベドラ(ドラゴン・レーシング)。これまでのキャリアベストを更新した。予選7番手はインディ500ウィナーのトニー・カナーン(KVレーシング)。ここまですべてがシボレー勢。なんとトップ7独占となった。
「今朝の最初のプラクティスから僕らのマシンは路面をガッチリとグリップしている。シボレーエンジンも素晴らしい仕事をしてくれた。そして何より嬉しいのは、僕らのレース用セッティングが本当に良いところ。ミルウォーキーはアンドレッティ家にとって重要な意味を持つコース。ここで勝つことができたらとても嬉しい。父の日のプレゼントの半分、それがポールポジションだと父(マイケル・アンドレッティ)には言ったんだ。彼はこのレースをプロモートしてきているし、明日僕が勝てたら最高だね」とマルコ・アンドレッティは語った。
琢磨はプラクティス1ではマシンが悪く20番手。苦境にあったが、2回目のプラクティスで3番手タイムをマークした。マシンのセッティングが一気に向上したのだ。それだけに予選は期待されていたが、2周目のターン4でマシンがラインからはずれ、2ラップ平均は168.023マイル。予選結果は15番手となった。
「アタックの1ラップめはクルマを感じながらペースアップしていって、アタック2周目も同じペースで走り切るつもりだったんですが、タイヤのグリップが下がっていたのと、プラクティスまでと違っていた風向きによってターン3〜4でフロントが思った通りにインに入っていかなかった。それでも予選なのでアクセルを緩めないようにしてコントロール。ラインじゃないところに入ったことで減速しちゃいました」と琢磨は悔しがっていた。
スタート位置は期待よりもかなり後方に決まったが、プラクティス2を見る限りAJフォイト・レーシングのレース用セットアップは戦闘力が高そうだ。