マクラーレンが、ついにオーストリアGPでショートノーズを実戦投入した。クラッシュテストに合格したばかりのショートノーズをフェルナンド・アロンソのマシンに装着することは、すでに発表していたが、フリー走行1回目で、アロンソが新しいノーズを装着することはなかった。
セッション前に一度、ガレージ内でメカニックが装着を試みていたことから、モノコックとの結合に不具合が生じたのではないかという不安も広まったが、実際には新ノーズに問題はなかった。金曜日の午後2時からスタートしたフリー走行2回目で、アロンソはショートノーズを装着してロングランを開始している。
では、なぜマクラーレンは午前中からショートノーズを使用しなかったのだろうか。チーム関係者によれば、他の空力パーツの到着を待っていたからだという。
「我々はオーストリアGPにノーズだけでなく、リヤウイングとフロアも投入し、新しいエアロパッケージを走らせる予定でいた。ところがリヤウイングとフロアの到着が遅れたんだ」
果たして、そのリヤウイングとフロアはフリー走行1回目の途中に到着。チームはランチタイム返上でアロンソのマシンを組み直して、午後2時にスタートする2回目のフリー走行に間に合わせたのだった。
こうしてレッドブルリンクを疾走することになったショートノーズは、中央にレギュレーションをクリアするための突起が設けられているタイプで、ウイリアムズの形状に似ている。ソフトタイヤを装着したアタックで、アロンソのベストタイムは1分11秒517と午前中の自己ベストに対して1.7秒も速く、従来のエアロパッケージを使っているチームメイト、ジェンソン・バトンのフリー走行2回目のベストタイムよりもコンマ4秒速い。
まだタイム差が大きくないのは、ほとんどセットアップができていない状態で走り始めたことも関係しているだろう。現地には、昨年レッドブルからマクラーレンへ移籍してきたチーフエンジニアのピーター・プロドロモウも姿を見せていた。新しい空力パッケージを、どのように評価したのか。土曜日以降もアロンソは新パッケージを採用するのだろうか。2日目以降もマクラーレン・ホンダの動向に注目したい。