ロシアGPでコンストラクターズタイトルを決めたメルセデス。彼らはシーズン終盤に突入しても、アップデートパーツを投入し続けている。資金力もさることながら、来季も空力に関するレギュレーションは大きく変わることないので今季の開発が来年の新車に役立つためでもある。
シンガポールGPと連続開催となった日本GPでは、ファクトリーから新リヤウイングを空輸。ロシアGPでは木曜の時点で技術部門を統括するパディ・ロウが「ものすごく細かなアップデートを施している」と語っていた。
変更されたのは、フロントウイングの3枚あるアッパーフラップの中央の1枚で、上側のエッジがノコギリ状のギザギザ形状となっている(写真:赤丸で囲んだ部分)。フラップ上側のエッジをノコギリ状にする手法は、昨年マクラーレンがリヤウイングで採用していたアイデアだ。1枚だけのフラップで角度をつけると裏面を流れる空気が剥離しやすくなる。そのためフラップを複数にして、その隙間から空気を送り込むことで、裏面を流れる空気の流速を上げて剥離を防ぐというのが、複数枚フラップの理由だ。ノコギリ状の処理は、フラップとフラップの間を流れる空気の流速を上げる効果があると考えられている。その効果か、メルセデスはソチ・オートドロームの180度回り込む3コーナーで安定した走りを見せていた。