メルセデスとピレリの“秘密テスト”が規則違反かどうかの審理が行われる国際法廷審問が6月20日に開催される。有罪との決定が下された場合、戒告から全ポイント剥奪まで、さまざまなペナルティの可能性がある。
スペインGP後にメルセデスは2013年型マシンを使用してピレリのタイヤテストを行った。現行マシンでのシーズン中のテストは規則で禁止されており、規則違反の可能性があるとして、FIAは国際法廷にメルセデスとピレリに関する裁定を委ねた。
国際法廷は2010年にFIA総会によって新たな司法制度の一環として設けられ、レーススチュワードが即座に解決することができなかった問題を取り扱う。
国際法廷(IT)の委員会は、FIAから完全に独立した12人のメンバーから成り、「ITはFIAの他の組織やメンバーから完全に独立して運営される」と規則で定められている。
審問に際し、国際法廷委員長が少なくとも3名のメンバーから成る審理委員会を決定、そのうちひとりが「審理委員長」に指名される。公平のため、審理団には関係者と同じ国籍を持つ者を入れることはできない。
審問会のために当事者および関係者は文書による証拠を提出することを求められる。国際法廷の役割は、規則違反があったか否かの判断をすることであり、最終的に審理団のメンバーは投票を行い、過半数の意見に従って決定を下す。
違反ありとの結論に達した場合には、審理団は違反にふさわしい罰を決める。この時に採用できる制裁は、国際スポーツ法典で定められた以下の範囲に限られている:戒告、罰金、公益のための作業を行う義務、タイムペナルティ、除外、出場停止、失格。
なお、F1に関しては「チャンピオンシップ全体のポイント取り消しのペナルティを科すこともできる」と記されている。またFIAは「国際法廷は、イベント、ミーティング、チャンピオンシップにおける参加や役割の遂行を禁止することができる」とも定めている。
国際法廷の決定に対し、メルセデスは上訴することができ、その場合はFIAの国際控訴裁判所に問題が委ねられる。
メルセデスは一貫して潔白を主張しており、テストを許可するFIAからのEメールを証拠として提出するとの報道もなされている。
国際法廷の審問は20日午前9時30分(パリ現時時間)にスタートする予定となっている。