フェラーリが行ったバジェットキャップ制に対する差し止め請求が却下されたことを受け、FIA会長マックス・モズレーは、予算を4,000万ポンドに制限するこの規則を2010年に導入することに譲歩はしないと再度示唆した。
フェラーリは、バジェットキャップ制によってF1は二重構造の選手権になり、これは“基本的に不公平であり、偏っているとさえいえる”とし、さらに予算制限を取り締まるのは事実上不可能であるとの理由で、このシステムに強く反対している。
二重構造という要素が除外される場合でも、フェラーリは、2010年にそのリソースと労働力を必要なレベルまで減らすことは不可能であると主張している。
モズレーは、フェラーリの撤退宣言は本気ではないと考えているが、フェラーリのフェリペ・マッサは、F1世界選手権が始まって以来、すべてのシーズンに参戦している唯一のチームであるフェラーリがF1から退く可能性は十分にあるとほのめかした。
「来年のF1に参戦しようとしているチームはたくさんある。しかし新しいチームがいくつか参入しても、フェラーリがいなくなったのでは、これまでと同じとはいえないだろう」というマッサのコメントが、BBCによって報じられた。
「僕はフェラーリドライバーであり、それをとても誇りに思っている」
「(今年の)選手権は、いつもとはかなり違った形でスタートした。政治的な論争が非常に多く、それがこのスポーツを損なっている。もっとスポーツとしての要素が増え、政治的なことが少なくなればいいと思うが、まだ多くの問題が残っている」
FIAと商業権所有者のバーニー・エクレストン、フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション(FOTA)はモナコGPを前に再度会合を行う予定だが、モズレーは、フェラーリの請求が棄却されたことが明らかになった後、バジェットキャップ制を取り下げるつもりはないと、再び主張している。
「いかなる競技者も、参戦するスポーツの利益より自らの利益を優先するようなことはすべきではない」とモズレー。
「FIA、チーム、商業的パートナーは、2010年以降のF1の幸福を実現するために、今後も協力して取り組んでいかなければならない」
