モナコGPで予想されるトラフィックの問題に対処するため、予選を新規チームとその他で分けて行う案が提出されたが、全チームの合意が得られず、モナコでも通常どおりのシステムで予選が行われることが決まった。
新規チームとその他チームとのタイム差は非常に大きく、スペインGPのQ1では、トップのマーク・ウエーバーと新規チーム首位であるロータスのヤルノ・トゥルーリの差が3秒以上、最下位HRT F1のブルーノ・セナとの差は6秒近くもあった。コース幅の狭いモナコでは余計にトラフィックがひどくなると見られ、セナは、新規チームとそれ以外とを分けて予選セッションを行うことを提案した。24台を偶数、奇数ナンバーの12台ずつ、2回に分けて予選を行うという案も提示されたが、ロータスのチームプリンシパル、トニー・フェルナンデスが反対を表明、全会一致の賛同が得られず、モナコの予選も通常どおりの形式で行われることが決定した。
「FOTA(フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション)で予選分割について協議された。12台ずつ行うという案だった」とフェルナンデスはロイターに語っている。
「私はノーと言った。我々はレースをエキサイティングにしたい。予想不可能なものにね。だからこそ予選はいつもどおりに行うことにさせた。私はF1の世界に来てすでに7カ月になる。ドライバーたちも非常に優秀だ。彼らはいい走りをするためにサラリーをもらっているのだ」
マクラーレンのルイス・ハミルトンは、予選の分割制を支持していたが、マクラーレン代表でありFOTA会長のマーティン・ウィットマーシュは、全チームの同意が得られない限り、予選システムを変更すべきではないと語った。
「スピード差があると――現時点で一部マシンとの間に実際に差があるわけだが――速いドライバーにとっては困難であり、遅いドライバーにとっても困難だ」とウィットマーシュ。
「彼らは1周の間ずっとミラーを見て、誰かの妨害をしてペナルティを受けないように気をつけなければならないわけだからね」
「モナコのようなサーキットでこれほどのスピード差のマシンを同時に走らせるのは望ましいことではないだろう。だが、中団以下のチームは思わぬ幸運に恵まれることを望んでいるので、変更に応じたくはないだろうね」
「予選で何か問題や事件があった場合、グリッドに影響するが、チームはそれに対応したレースをしなければならず、ショーという意味では面白くなる。モナコのQ1では全マシンが同時に走ることになる。とてもチャレンジングになるだろうね……」