第82回ル・マン24時間耐久レースは12日、予選3回目が行われ、中嶋一貴が予選アタッカーを務めた7号車トヨタTS040ハイブリッドが3分21秒789でポールポジションを獲得。日本人ドライバーと日本車の組み合わせで、初めてル・マン24時間でのポール獲得となった。
当初の予定から30分スタートが早められたため、終了から息つく暇もないままスタートした予選3回目。前日の予選1回目から3回のセッションを経てポールポジションが決まることになるが、予選2回目の終了間際に中嶋一貴のドライブでトップタイムを更新した7号車トヨタTS040ハイブリッドは、予選3回目も序盤から一貴が3分21秒台までタイムを更新。ポルシェ勢も14号車がタイムアップするが、序盤は一貴のタイムには及ばない。
その後、日が沈むとともにしばらくLMP1のアタック合戦は8号車トヨタのタイムアップ以外は小康状態に。各車周回を重ねていく時間が続く。例年ル・マンでは、最も気温が下がる予選3回目の終了間際がポールを決するタイミングとなるが、それまでは淡々と周回が重ねられていった。
セッション途中、しばらく走行を行っていなかったポルシェ勢が動き出したのは残り45分というところ。アウディ勢も3号車、2号車と終盤のアタックに向けた準備を進めはじめる。ただ、しばらくはイエローフラッグが振られている部分があり、アタックはスタートせず。イエロー区間はタイヤバリアの修復が行われており、この修復が終わった時点でLMP1各車のアタックがスタートしていった。
LM-GTEクラス車両の中にはアタックが終わっているチームも多く、かなりコース上はクリアに。残り15分を切り相次いでP1車両がコースイン。7号車トヨタは再び一貴が乗り込み、コースインしていった。他陣営も各車のアタッカーが乗り込みコースインしていく。
ただし、この時点でもインディアナポリスでマーフィー・プロトタイプスの48号車がコースアウトしており、60km/h規制が敷かれていた。そのため、実質的にLMP1勢はアタックを行うことはできず。一貴がマークした3分21秒789というタイムがポールポジションタイムとなった。
一貴は3年目のル・マンで、初めてのポールポジション獲得。日本人ドライバーにとって、ル・マン24時間で初めてのポールとなった。また、日本人ドライバー&日本車の組み合わせでのポールも初めてとなる。2番手は14号車ポルシェとなり、8号車トヨタTS040ハイブリッドが3番手に。20号車ポルシェが4番手、アウディ勢は3号車を最上位に、5番手〜6番手からスタートすることになった。
LMP2クラスは、ティリエ・バイ・TDSレーシングの46号車リジェJS P2・ニッサンがポールポジション獲得。JOTAの38号車ザイテック・ニッサンが2番手、OAKレーシングの35号車リジェ・ニッサンが3番手と、ニッサンVK45エンジン搭載車がトップ3を占めた。井原慶子が乗り込んでいる50号車モーガン・ジャッドはクラス16番手となっている。
環境技術を志向した特別枠“ガレージ#56”から参戦しているニッサンZEOD RCは、予選2回目まではトラブルが頻発したものの、予選3回目に向けて着実にマイレージを重ねることに。3分50秒185というタイムをマークし、14日の決勝はLMP2勢に続くポジションからスタートすることになる。
LM-GTEプロクラスは、AFコルセの51号車フェラーリ458がポールを獲得。73号車シボレー・コルベットC7.Rが2番手、97号車アストンマーチン・バンテージが3番手につけた。LM-GTEアマクラスに参戦しているチーム・タイサンのフェラーリ458は、中野信治が予選を担当。クラス17番手から決勝を戦う。