第96回インディアナポリス500マイルレースで、レイホール・レターマン・ラニガンの佐藤琢磨はファイナルラップのターン1でトップを狙いクラッシュ、17位に終わることとなったが、チームオーナーのボビー・レイホールは琢磨のレースを称賛した。
今季からインディカー・シリーズにチームとして本格復帰したレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、琢磨をエースに据えシリーズを戦い、インディ500前のサンパウロ戦では琢磨が表彰台を獲得するなど、尻上がりに調子を上げていた。
今回のインディ500から2台目としてミッチェル・ジョルダインJrを加えたチームは、琢磨とともにプラクティスから順調にマシンをセットアップ。200周の決勝でも琢磨は優勝に値するペースで周回を重ね、残り6周のリスタートで3番手にジャンプアップ。スコット・ディクソンをかわし、ファイナルラップでダリオ・フランキッティのインへ。しかしスピンを喫し、日本人初のインディ500制覇はならなかった。
アメリカの伝説的ドライバーであるチーム代表のボビー・レイホールは、レース後琢磨のレースについて、「琢磨は素晴らしいレースを展開し、チームクルーは素晴らしい仕事をしただけに残念だよ」と語った。
「私が最も喜んでいるのは、最も資金面で恵まれ、経験をもつチーム(チップ・ガナッシ)を相手に、資金面で充実している訳でもなく、まだ発展途上の我々が1対1で勝負を挑むことができたことなんだ。琢磨はそういう意味でもとんでもない仕事を成し遂げただけに、可哀想だったね」と1986年のインディ500ウイナーであるレイホールは続ける。
「まったく琢磨を非難する気なんてないよ。チャンスを見つけたら、掴み取りにいくのは当然だ。特に、それがインディ500の残り1周なら当たり前だ」
「琢磨と、チームのみんなが成し遂げた仕事に誇りをもっている。彼らがより素晴らしい仕事をしたから、気の毒だったよ」