29日に決勝レースが行われるDTMドイツツーリングカー選手権の開幕戦ホッケンハイムで、F1で初優勝を飾ったばかりのメルセデスベンツから、ファン向けにスペシャルイベントが開催されることになった。

　F1中国グランプリでは、メルセデスのニコ・ロズベルグがキャリア初勝利をポール・トゥ・ウインで飾りチームに初優勝をプレゼントしたが、DTM開幕戦の予選日にあたる28日には、ドイツのファンに向けてメルセデスからサポートの感謝を込めて、ロズベルグのデモランが行われることになった。

　メルセデスとしてのF1の勝利は1955年にファン-マヌエル・ファンジオがイタリアGPでワールドチャンピオンを決めた時以来の勝利。それを祝い、ロズベルグは1954年〜55年に使用された伝説のグランプリカーであり、ファンジオの連覇に貢献したメルセデスベンツW196をドライブする。

　ロズベルグは、父であるケケ・ロズベルグがDTMチームを率いているほか、ユーロF3など、DTMのサポートで行われていたジュニアフォーミュラでキャリアを積んだこともあり、DTMには大きな思い入れがある様子。昨年も開幕戦ホッケンハイムを訪れ、ロズベルグがDTMマシンをドライブ。ファンを助手席に乗せる“タクシードライバー”も買って出た。

「DTMにはすごくたくさん思い出があるんだ。父に連れられて来たこともあるし、ジュニアフォーミュラの頃はDTMのサポートとして戦っていた。その頃からたくさんのことがあったからね。今、中国GPで勝利を飾って、グランプリウイナーとしてホッケンハイムに戻る事ができるなんてとても光栄なんだ」とニコ。

「昨年、ノルドシュライフェで過去のシルバーアローに乗せてもらったことはあったけど、あのファンジオがドライブしたメルセデスベンツW196をホッケンハイムで走らせることができるなんて、今から楽しみで仕方ないよ。このデモランは、メルセデスベンツのモータースポーツ史において大きな意味があると思う」

　今回のDTM開幕戦には、ロズベルグだけではなく僚友ミハエル・シューマッハーも登場。シューマッハーは今季DTMにデビューする“メルセデスジュニアチーム”のアドバイザーを務めるだけでなく、昨年型のメルセデスW02でデモランを行う予定だ。

「今季初のF1のデモランを、DTM開幕戦という舞台で、地元ドイツのファンの前で披露できるのは本当に嬉しいね。DTMメルセデスチームと、弟ラルフのためにエールを込めて走りたいね」とシューマッハーはコメントしている。