IZODインディカー・シリーズのオフィシャルは、今週末に開催されるテキサス戦において、HVMレーシングのシモーナ・デ・シルベストロに対し、ブラックフラッグが提示される可能性を示唆した。
今季初のオーバル戦となった5月27日のインディ500では、ロータスエンジン搭載車としてデ・シルベストロとファンフォース・ユナイテッドからジャン・アレジの2台が参戦したが、ホンダ、シボレーの両エンジン搭載車と比較してパワーの違いが大きく、安全上の理由からスタート後数周で黒旗が提示され、レースから除外された。インディ500ではロータスエンジン搭載車は、他のマシンに比べて17マイル(時速27km程度)遅く、トップのマシンのペースから105%圏外となっていた。
これまでのシリーズにおけるロード/ストリートコースでは、ロータスエンジンにそこまでパワーの違いが顕著に表れず、前戦デトロイトでも顕在化しなかった。しかし、次戦のインディカーは、1.5マイルオーバルのテキサスとなり、ホンダ、シボレーとのギャップが再び広がるだろうと懸念されている。
インディカー・シリーズのレースディレクターを務めるボー・バーフィールドは、英AUTOSPORTの取材に対し、今回1台だけロータスエンジンを使用するHVMレーシングのマシンは、決勝レースでトラック上に残らないだろうと語る。
「そうだね。おそらく(黒旗は)振られるだろう」とバーフィールド。
「我々はロータスと問題解決に向けて働いている。この件について頑張ってはいるが、テキサスは難しいトラックだ。ここでレースをすれば、トラックを去らなければいけないと思う。彼らには同情するし、彼らと働きたいが、安全はすべてに優先されるからね」
ロータスのインディカー・プロジェクトでマネージャーを務めるオリビエ・ピケノーは、さらなるエンジンの開発は進行中であると語るものの、インディ500から2週間後に迎えるテキサスでは、十分な時間がなかったと語る。
「テキサスには改良を施していくが、まだまだトップからは遠い。1週間で馬力を上げるのは難しいよ。我々はパーツを製作中だし、いろいろな改良を試しているが、1週間で作るのには多すぎる」とピケノーはコメントした。
「個人的には、インディ500ではイエローフラッグなどで対応してくれても良かったのではないかと思う。ロータスエンジン車にはパックの中で走るチャンスがなかったんだからね」
「ただ、我々はインディカーの決定を尊重したい。あれが彼らの決定だし、怒りをぶつけてきている訳ではない。ロータスはまだインディカー・シリーズと働きたいし、インディカーで成長したい。撤退したいなんて思わない」