FIA世界ツーリングカー選手権の開幕戦マラケシュは13日、ムーレイ・エル・ハッサン・サーキットでレース1に続き決勝レース2が行われ、シトロエンのセバスチャン・ローブがWTCC初優勝を飾った。
予選トップ10のリバースグリッドが適用されるレース2は、ベテランのトム・コロネル(シボレーRMLクルーズ)がポールポジションを手にした。だがレースはスタート直後にコロネルがクラッシュを喫し、2周終了時点で赤旗が出される反乱の幕開けとなった。
コロネルは、同じ最前列のメディ・ベナーニ(シビックWTCC)を抑え込もうとアウト側に寄せたが、逃げ場を失くした彼のシビックと接触。コントロールを失ったコロネルのクルーズはウォールにはね返されて逆サイドのウォールに激しくクラッシュ。そこに後続から来たイバン・ミューラーも接触し、コロネルと共にリタイアを喫することとなった。
ベナーニはコロネルとの接触でフロントバンパーを失ったが、赤旗中断の間にグリッドでマシンを修復。セーフティカー先導後、5周目からのレース再開を先頭でスタートすることになった。
しかし、再スタート直後に2番手ティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)をパスした3番手スタートのローブが6周目にトップへ浮上する。逆にベナーニにはスタートに関するドライブスルーペナルティが下り、9番手までポジションを落とす形となった。
レースはさらに8番手からリスタートしたシトロエンのもう一台、ホセ-マリア・ロペス(シトロエンCエリーゼWTCC)も7周目にヒューゴ・バレンテ(シボレーRMLクルーズ)、モンテイロを立て続けに交わして2番手に浮上、シトロエンの1-2態勢へと変わった。
9周目にドゥサン・ボルコビッチ(シボレーRMLクルーズ)がホームストレートでストップしたため、再びセーフティカーが出される。しかし首位を走るローブはレース再開の10周目以降も安定したペースで周回。3番手以下を引き離しながら追ってくるチームメイトの接近を最後まで許さず、参戦2レース目にしてうれしいWTCC初優勝を飾った。
シトロエンはミューラーを不運なアクシデントで失ったものの、ライバルを圧倒するポテンシャルを披露して1-2フィニッシュを達成。
一方のホンダ勢は終盤までモンテイロがトム・チルトン(シボレーRMLクルーズ)を抑えて4番手をキープしていたが、14周目に右フロントタイヤから白煙を上げてスローダウン。ペナルティから挽回してきたベナーニも一旦はチルトンからポジションを奪ったものの、チェッカー目前の最終コーナー立ち上がりで再度逆転されて5位フィニッシュとなった。
なおホンダは、マシンのダメージで予選から欠場したガブリエル・タルキーニに続き、ノルベルト・ミケリスもレース2を走ることができなかった。