スーパーGT第2戦富士は29日、500kmの決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたPETRONAS TOM'S SC430が、SC430勢同士のバトルを制し優勝を飾った。中嶋一貴、ジェームス・ロシターのふたりはGT500初勝利。4位までをSC430勢が独占する結果となっている。
ゴールデンウイークの一戦に相応しい、快晴の下迎えたスーパーGT第2戦富士の決勝レース。500kmという長丁場のスタートは、セミ耐久レースらしからぬ波乱のスタートとなった。1コーナーから激しい接戦となったGT500クラスは、1周目の最終コーナーで密集となり、その中でホンダ勢の最上位スタートだったウイダー モデューロ HSV-010がKEIHIN HSV-010と接触しスピン! この影響でKEIHIN HSV-010はフロントを破損してしまう。
一方で、トップのPETRONAS TOM'S SC430は首位をキープ。DENSO KOBELCO SC430が続き、MOTUL AUTECH GT-Rが3番手に続く。しかし、GT300クラスが集団の前に登場すると、さらに混乱は続く。PETRONASを駆る中嶋一貴にDENSOを駆る石浦宏明が襲いかかり一度は前に出るものの、今度はDENSOが1コーナーでPETRONASにかわされ、DENSOを先頭にENEOS SUSTINA SC430、MOTUL AUTECH GT-R、ZENT CERUMO SC430、カルソニックIMPUL GT-Rという5台による2番手争いに変わる。
しかし、波乱はさらに続く。開幕戦で3位に入り、今回も3番手につけていたMOTULがなんと19周目の1コーナー立ち上がりでスローダウン! 完全にマシンが停止してしまい、MOTULは痛いリタイアを喫してしまう。これで5番手にカルソニックがつける以外はSC430勢が上位を占めることになった。
そんな中、他のSC430勢とは異なるタイヤを装着していたDENSOは早めのルーティンを行い、25周でピットイン。他のSC430勢は37周目〜42周目あたりでピットインを行う。そんな中、早めに作業を行っていた脇阪寿一駆るDENSOが、ピットアウトしたばかりのPETRONASをコカコーラ・コーナーでオーバーテイク! トップに浮上する。
中盤を迎えると、トップはDENSO、以下PETRONAS、ENEOS、ZENT、KeePerとSC430勢がトップ5を独占する展開に。5番手にはカルソニックがつけ、その後方にRAYBRIG HSV-010が続くが、上位の争いの一方でRAYBRIGを駆る小暮卓史が絶妙なバトルを展開しREITO MOLA GT-Rからのアタックを凌ぎきり、ファンを沸かせた。
2回目のルーティンストップは、やはりDENSO KOBELCO SC430が最も早く67周を終えてからピットへ。石浦にスイッチしコースに戻るが、ENEOSが76周を終えピットに入ると、ENEOSがDENSOの前に立つ。さらに、PETRONASとZENTが78周目に同時にピットストップを行うが、ここはPETRONASに軍配。ENEOSの前でコースに復帰してみせた。
2番手ENEOSはZENTの前でコースに復帰することに成功するが、ZENTをドライブする立川祐路がハイペースでENEOSを追い上げ、85周にオーバーテイクに成功。これでチェッカーに向け、PETRONAS、ZENT、ENEOS、DENSOというSC430のトップ4が形成されることとなった。
終盤、5番手にはカルソニックがつけていたものの、チェッカーに向けてジリジリとKeePerがにじりより、SC430の上位独占を狙う。一方、2番手に浮上した立川のZENTも、少しずつ首位PETRONASとの差を詰めていった。
しかし、一貴が駆るPETRONASは、最後まで集中力を切らさずトップでチェッカー! ジェームス・ロシターとともに、嬉しいGT500初優勝を遂げてみせた。2位はZENT、3位はENEOSが入り、4位にもDENSOが続いたため、SC430勢がトップ4を独占した。トムスが優勝を飾ったのは、2010年第8戦以来のことだ。GT-R勢の最上位はカルソニックの5位。KeePerは6位でチェッカーを受けた。7位にはRAYBRIG HSV-010が入り、HSV-010勢の最上位となっている。