10日、富士スピードウェイでシェイクダウンテストが行われた2014年からの全日本選手権スーパーフォーミュラの新シャシー、SF14。トヨタエンジン搭載車のステアリングを握った中嶋一貴、ホンダエンジン搭載車を駆った伊沢拓也のふたりが、走行後感想を語っている。
この日、初めてサーキット上を走行したSF14。これまでイタリアのダラーラでシミュレーターをドライブするなどSF14開発に関わってきたふたりは、シェイクダウンも担当。まだカーボン地のままのマシンを駆り、午前中こそトラブルが多かったものの、午後は連続周回を行うなど、着実にテストを終えた。
初日のテスト終了後、「いろいろと細かいトラブルはあったんですけど、とりあえず何周かは走ることができましたし、シェイクダウンとしてはこんなところかな……と思っています」と語ったのは一貴。
クルマはまだ“超安全運転”という状況で、一貴も「まだまだ手探りの状況です」と言うが、「素性は悪くないと思っています」とのこと。一方の伊沢は、「走りはじめからフィーリングがいいと感じました。SF13との大きな違いは、車体が軽くて動かしやすいというのが第一印象。ただ、いろいろな部分がスウィフトと違って、カーボンブレーキやフライ・バイ・ワイヤのスロットルなど、自分に合わせなければいけない部分はありますが、概ね満足しています」と好印象を受けた様子。
このSF14はウイングカーだったSF13とは空力のコンセプトも異なるほか、エンジンも2リッター4気筒直噴ターボに変更されるなど、大きく性格は異なる。「ターボのレーシングエンジンは、自分にとってフォーミュラでは初めてでどうなるかと思っていたんですが、ターボが効いた時の加速感は今までになかったと思います」と伊沢は初のターボ車の感想を語る。
「逆に、ターボをどう使っていくのかがこのクルマのカギになるかな……と感じました」
これについては一貴も同意見で、「ターボの効き方はパワーもあります。NAほど扱いやすくないかもしれませんが、馴れてくればそれほど大きな問題もないと思います。あとはもう少し走ってみればというところですね」と語った。
「セクター3のようなダウンフォースがないところでは、クルマの動きが早くて、セクター3に限って言えば今のスウィフトよりも速いと感じた」と伊沢が語るクイックな挙動が売りのSF14。実際にターンインの挙動は今までのSF13とはまったく異なる動きを感じさせた。このマシンで実際にレースが展開された時、どういうスピードとバトルが展開されるのか。今後の開発が非常に楽しみなシェイクダウン初日となった。