F1第12戦ハンガリーGPの決勝はレッドブルのマーク・ウエーバーが今季4勝目をマークした。23番手スタートのBMWザウバー小林可夢偉は9位でフィニッシュして見事ポイントを獲得。HRTの山本左近は20位完走を果たした。

 決勝日のハンガロリンクは強い日差しとともに快晴に恵まれた。レーススタート時点(午後2時)の気温は28度、路面温度は46度というコンディション。土曜日の予選後、ザウバーの可夢偉はピットでの違反があったとして5グリッド降格のペナルティを受け23番グリッドからのスタートに。直前のグリッッドではブリヂストンが今回持ち込んでいるオプションのスーパーソフトを上位10台が装着、それ以降のマシンでは12番手のルーベンス・バリチェロがプライムのミディアムタイヤを履くなど後方では各マシンでタイヤチョイスが若干分かれた。

 レーシングラインのアウト側にPPのセバスチャン・ベッテルと3番手のフェルナンド・アロンソ、埃っぽいイン側ダーティーサイドに2番手ウエーバーと2列目4番手のフェリペ・マッサが並んでレースの幕が上がる。スタートでは3番手のアロンソが鋭い加速から2番手ウエーバーをパスすると、1コーナーでベッテルの隙を伺うもののオーバーテイクには至らず、ベッテルがレースをリードする。上位はアロンソが続き、ウエーバー、マッサのオーダーに変わる。一方、6番手スタートのビタリー・ペトロフはルイス・ハミルトンを抜いて前に立つが2周目に逆転され6番手を走行。後方23番グリッドからスタートした可夢偉はスタートで一気に16番手までポジションを上げている。

 スタート後の首位ベッテルはファステストラップを連発しながら1周約1秒のギャップをつくって2番手アロンソとの差を広げていく。ベッテルは5周で5秒、10周目には約9秒の差をアロンソにつけ、3番手のウエーバーがアロンソのすぐ後ろを走る展開で序盤のレースは進んでいった。

 しかし14周目にジェンソン・バトンが最初にピットインすると、それと同じタイミングでフォース・インディアのエイドリアン・スーティルがコース上にウイングのパーツを落としてしまいセーフティカーが導入される。ここで多くのマシンがピットになだれ込み、上位勢では3番手ウエーバーを除くほぼすべてのマシンがピットインする。しかしこれでピットロードが混乱をきたし、スーティルとロバート・クビカが出会い頭に接触。またピットを離れようとしたニコ・ロズベルグのマシンから右リヤタイヤが外れるというアクシデントが起きてしまった。

 18周目にレースは再開。先ほどのアクシデントでは幸いにもケガ人は出なかったがレースでは若干のポジション変動があり、ハミルトンがマッサの前4番手に浮上。一旦はコースに留まったザウバーの可夢偉も1周遅らせてピットインしたのが幸いして、リスタート後は11番手まで順位を上げることに成功した。可夢偉はその後、ハミルトンがギヤボックストラブルでリタイアしたことでポイント圏内の10番手に浮上し、5番手を走るルーベンス・バリチェロもウエーバーと同じくピットインしていないため後半でのさらなるポジションアップが期待された。

 20周目以降、レースは暫定トップに立ったウエーバーが2番手争いをするアロンソを逆転するためにペースを上げてくる。するとレースが25周目に入ったところで実質トップのベッテルに、セーフティカー先導下で前車との間隔を広げすぎたという理由からドライブスルーペナルティが下されてしまう。この結果、ベッテルが32周目にペナルティを消化した時点でトップに上がったウエーバーと2番手アロンソの差は約16秒、逆に3番手に順位を落としたベッテルはウエーバーから約18秒遅れるかたちとなり、レースの行方はトップ3全員に優勝のチャンスが生まれる展開となった。

 そのレース後半、主導権を握ったのはトップに立つウエーバーで、カーナンバー6のレッドブルはそこからペースを1分23秒台に入れるなどして2番手アロンソ以下との差を広げていった。ウエーバーはその差を23秒以上にまで広げて43周目にピットインすると、狙い通りにトップでレースに復帰する。その後もウエーバーは後続との差をコントロールして終盤を走りきると、そのまま70周を走りきり今季4勝目となるトップチェッカーを受けた。

 一方、2位はレース後半に渡ってアロンソとベッテルが僅差の争いを繰り広げたものの、アロンソが最後までミスなく走りきり、ベッテルを抑えて2位でフィニッシュ。優勝候補筆頭と目されたベッテルは結局3位に終わった。4位はマッサで、週末を通して好調をキープし続けたペトロフが自己ベストの5位でフィニッシュ。ウイリアムズのニコ・ヒュルケンベルグも6位に入った。

 ザウバーはペドロ・デ・ラ・ロサが7位で今季初ポイントを獲得。終盤にバリチェロのピットストップによって10番手からひとつポジションを上げていた可夢偉も最後9位でフィニッシュし、最後列の23番手スタートから見事ポイントを獲得してみせた。
 なお11位に終わったメルセデスのミハエル・シューマッハーは終盤66周目にホームストレートでオーバーテイクを仕掛けてきたバリチェロに危険な幅寄せをしたとして審議の対象にかけられている。

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