久保凜太郎がF3デビューウィン達成!
第2戦も2位で、順調なダッシュを決める。

全日本F3選手権第1・2戦
4月11~13日
鈴鹿サーキット
5.807km

 最高峰から底辺まで、幅広くフォーミュラカーレースをカバーする『とちぎル・ボーセ モータースポーツ』が挑むカテゴリーのひとつ、全日本F3選手権が、鈴鹿サーキット(三重県)を舞台に、4月11~13日に開催された。トヨタ3S-GEエンジンのワンメイクで、ドライバーの育成に最適と言われるF3-Nクラスに、今シーズンも挑むこととなった。

 ドライバーとして起用されたのは『ル・ボーセフォーミュラアカデミー』で鍛え、昨シーズンはスーパーFJもてぎシリーズのチャンピオンに輝いた久保凜太郎。近年ではスーパーFJの後、FCJなどミドルフォーミュラを経てからF3へステップアップというのがセオリーになっていたが、昨年そのFCJの最終ラウンドにスポットで参戦し、十分にその上のF3で戦えるとチームは判断。そんな期待に結果で応えてくれることが期待された。

予選
4月12日(土)
天候/晴れ
コース状況/ドライ

 今シーズンのF3-Nクラスはエントリーが6台。しかし、ドライバーはいずれも実績豊富とあって、激戦となることが大いに予想されていた。金曜日に行われた専有走行では、2回ともに2番手に。とはいえ、トップとはごく僅差とあって期待はより一層高まることとなった。

 土曜に行われた予選では、その思いがさらに高まることに。1回目は最初のアタックからしっかりクリアラップを取って1分55秒559をマークし、トップに浮上。その直後にデグナーでのコースアウト車両があって、残り2分を切ったところで終了に。それでも久保のタイムを上回る者は現れず、緒戦からいきなりNクラストップのグリッドを獲得する。

 2回目は路面コンディションの悪化により、全体的にタイムが伸び悩む中、それでも最小限のダウンに留めた久保は唯一56秒台を切る、55秒686を叩き出して2戦連続でNクラストップに輝くことに。総合でもそれぞれ9番手につけることとなった。

決勝1
4月12日(土)
天候/晴れ
コース状況/ドライ

 予選終了から4時間あまりのインターバルを経て、12周で争われる決勝レース第1戦が行われた。ルーキードライバーにとって、何より緊張の瞬間がデビュー戦のスタート。しかし、事前のスタート練習はいずれも成功したとは言い難かったこともあり、安全策を採ったと久保。その影響か、1台の先行をスタート直後の1コーナーで許してしまう。だが、少しも遅れを取ることなく続いたばかりか、いち早く相手のシケインでのブレーキングが不安定なことを見抜き、5周目に一発で逆転を果たしてトップに躍り出る。

 その後、しばらくは3台でのトップ争いを続けていたが、しっかりとタイヤマネージメントを心掛けていた成果が終盤になって表れ、徐々に後続を引き離していく。そして、最後は2秒5もの差をつけ独走。久保は嬉しいF3デビューウィンを達成することとなった。

決勝2
4月13日(日)
天候/曇り
コース状況/ドライ

 日曜日の午前中に行われた決勝レース第2戦は、第1戦より5周多い17周で争われることもあり、初のF3レースウィークに挑むドライバーには、より体力的に厳しくなることが予想されたが、雲も上空にあって温度は低下。その点で負担はかなり抑えられることになった。

 久保はスタートでまたしても1台の先行を許し、1コーナーには2番手で進入。それでも大きく遅れを取ることなく続いただけに、第1戦の再現が期待される。しかし、トップのドライバーも同じ轍を踏んではくれず、必死にガードを固めていた。8周目のシケインで最初のアタックをかけるも逆転ならず。いったん引いて様子を見続けるも、なかなか隙を見せてくれない。それでも連勝に向ける思いを断ち切ることなく、最終ラップのスプーンで再度アタック。が、ここでも逆転ならず、最後のチャンスでもあるシケインに賭けるも、しっかりとガードされ追い抜きはかなわず、2位でフィニッシュとなった。

 次回のレースは5月9~11日に、ツインリンクもてぎで開催される。今シーズン唯一の3レース大会の舞台は、チームにとってホームコースであるばかりか、前述のとおり久保がスーパーFJでチャンピオンを獲得し、隅々まで知り尽くしている。第1戦のデビューウィンに満足することなく、さらに多くの勝ち星を積み重ねていくことが期待される。

チーム監督 坪松唯夫
 ドライバーが昨年までスーパーFJを戦っていたと考えるとデビュー戦をこの結果で終えられたことは非常に驚きであり、最高のスタートが切れたと思っている。少し厳しい言い方をすれば、予選は十分満足出来るタイムではあったが、ドライバーの乗りやすさを優先したセッティングだったので、更なるレベルアップを考えると、越えなければならない高い壁はまだまだ先にあると考えている。

Driver 久保凜太郎
 予選では2回ともトップが獲れたのですが、決勝ではいずれもスタートが上手く行かず1コーナーで先に行かれてしまいました。接戦になるとフロントのダウンフォースが抜けることに最初は戸惑っていたのですが、シケインのブレーキングでぐっと差が詰まっていたので、『次の周、ここで抜こう』と思って、しっかり合わせこんで抜くことが出来ました。第2戦は僕の中では序盤で逃げ切るレースをイメージしていたので修正が必要だった上に思った以上に抜けず、ミスも多かったので最後まで逆転を許されませんでした。次回のもてぎは去年走り込んだコースなので、強いレースをして優勝を狙います。

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