今宮純氏が8つの視点から、2015年シーズンのF1前半戦を総括。夏休みスペシャル企画としてF1速報サイトと連動、まずは「4つの視点」をご紹介します。

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視点1:ハミルトンの9ポールポジション、速さを引き出す力

 今年最速ルイス・ハミルトンはとっておきの速さの引き出しを持っている。スタート義務付けタイヤでのQ2アタックでは抑え目、ニコ・ロズベルグと互角の5勝5敗。だがQ3では9勝1敗、全開率を上げてくる。とくにコーナーのクリッピングポイントから出口が顕著で、この脱出速度差がタイム短縮につながり、コーナー数の多いハンガリーGPでは0.575秒もの大差をつけた。そこでロズベルグは今年序盤からレース志向セッティングに振り、ロングランペースで対抗する考え方に切り替えた。しかしスタートで先行され背後にまわると“後方乱気流”を浴び、カーバランスが変調して苦戦……。前期ハミルトン優勢の源は予選Q3アタックの「引き出し力」に尽きる。

視点2:ルノーの三択、ゴーンCEOどうする?

1、レッドブル&トロロッソと16年までPU継続供給。
2、自らのワークス・チームを再び立ち上げる。
3、F1から撤退。
 岐路に立つルノーに向け7月末、バーニー・エクレストン氏が興味深い発言をした。「チームとして復活するならば“レジェンド待遇”を考慮する」
 これは年間分配金の優遇を意味するもの、大手メーカーをつなぎとめる政策だろう。今年はメルセデス4、フェラーリ3、ルノー2、ホンダ1チームのPU供給構図、これがどう変わるか。カルロス・ゴーン社長の選択は9月以降となりそうで注目される。

視点3:フェラーリPUの燃料開発戦争

 フェラーリF1活動予算は昨年対比35%増のおよそ500億円に増額された。これを適材適所に振り分けたのがマウリツィオ・アリバベーネ新代表。2勝できたのはニューPU“060/4”の改良と、シェルと共同開発した燃料や潤滑オイルなどが寄与している。カナダGPでFIAはいわゆる「燃料ブースト疑惑(補助タンク使用?)」に対し、セバスチャン・ベッテル車を調査した結果、合法と判断。2戦後に3位、3戦後に2勝目、そのハンガリーGPにシェルは今季3度目のアップグレードを実施した。メルセデス&ペトロナス、ルノー&ELF、ホンダ&モービル+エッソ、PUパフォーマンスにかかわる「燃料・オイル開発戦争」はさらに活発化する。

視点4:少数グリッド、15台開幕の異変

 マノー勢は走行可能状態になく欠場、フェルナンド・アロンソ体調問題のために起用されたケビン・マグヌッセンとダニール・クビアトがスタート前にストップ。さらにウイリアムズのボッタスが予選後に椎間板繊維輪の損傷により欠場、開幕戦グリッドは結局15台(!)。第2戦に復帰したボッタスは明らかに体調が万全でなく、それが前半戦のブレーキとなった(高速コーナー区間でマッサに及ばぬ時も)。16年ストーブリーグのキーマン、フェラーリ移籍か残留か騒がれる彼はいまも痛めた部分のケアが必要だという。来季動向もさることながら、やや気がかりだ。

続きはF1速報有料サイトでご覧ください
視点5:セカンドベスト・シャシーはトロロッソSTR10
視点6:新規参入ハースvs既存ミドルチーム
視点7:GPDAファン調査でレトロ志向の意外な結果が
視点8:半世紀前に11戦目優勝のホンダ~“第4期”は10戦目に5位

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