昨年AUTO GPでランキング2位を獲得、17日にカンポス・レーシングから今季のGP2参戦が明らかにされた佐藤公哉が、参戦決定にあたり今季に向けた意気込みを語っている。
佐藤公哉はフォーミュラチャレンジ・ジャパンや全日本F3を経て、2011年に渡欧しユーロF3に参戦。昨年は欧州ビッグフォーミュラのひとつであるAUTO GPにユーロノヴァから参戦し、5勝を挙げランキング2位に輝いた。また一方で、昨年はザウバーF1チームのリザーブドライバーにも就任。すでにF1のステアリングを握っており、カンポスからGP2を戦う今季は、よりF1を見据えた勝負の年となる。
「僕のマネージメントチームの精力的な活動で、カンポス・レーシングからの2014年GP2シリーズ参戦をこうして発表できて嬉しく思います。GP2シリーズは未知の領域で現行車両での走行経験はなく、カンポス・レーシングとの意思疎通も始まったばかりです。現時点で不安がまったくないと言ったら嘘になりますが、シリーズ選定やチーム選定に関し、僕の強力なマネージメントチームの活動と判断にはとても満足しています」とマネージメントに対する感謝を述べた佐藤。
「2013年はザウバーF1チームのテストドライバーとして2回の走行機会を与えられただけでなく、F1日本GPではザウバーF1チームのリザーブドライバーに抜擢されました。この貴重な経験を必ず活かします」
「GP2シリーズはこれまでに多くのF1ドライバーを輩出しており、僕の夢を達成するためにはぜひとも戦わなければなりません。ファンの皆さま、メディアの皆さま、そして僕のレース活動を支援してくださるすべての皆さまに感謝申し上げるとともに、僕の挑戦の成功をお祈りいただければ幸いです」
一方、佐藤を迎えることになったカンポス・レーシングの代表で、元F1ドライバーのエイドリアン・カンポスは「公哉の今回の決断を大変嬉しく思っているし、スタッフたちも彼との仕事をとても楽しみにしている。もちろん彼はGP2ではルーキーだから、限られた時間の中でたくさんのことを学ぶ必要がある」と語る。
「ライバルの多くはGP2シリーズをすでに経験しており、この戦いは決してたやすくない。とはいえ、公哉はすでにリバースグリッドや決勝レース中のタイヤ交換など、GP2シリーズで採用されている仕組みをAUTO GPなどで経験しているし、今季開催される半分以上のサーキットでレース経験がある」
「個人的な話だが、私は1987年のF1日本グランプリにミナルディから出場した。決勝レースはエンジントラブルでリタイアと残念な結果だったが、日本の皆さまの温かい歓迎ぶりはいまでも憶えている。今回、こうして再び日本とのつながりができて嬉しく思う。公哉が最大限の能力を発揮できるよう我々は全力を尽くすので、日本の皆さまも彼を精一杯応援ほしい」
また、ユーロノヴァの代表で、昨年佐藤を育ててきた元F1ドライバーのビンツェンツォ・ソスピリも、佐藤の飛躍にエールを送った。
「エイドリアン・カンポスはドライバーとしても、チームを率いる立場としても尊敬できる私の先輩で、安心して送り出せる。もちろん今後も我々ユーロノヴァは、公哉がGP2で活躍できるよう、引き続きマネジメント⾯で強力にサポートしていく」