18日、マルシャF1チームが2013年シーズンにむけて、今季GP2に参戦していたマックス・チルトンを起用することを明らかにした。マルシャは来季、チルトンを起用することで約12億7000万円の資金を得ると言われているが、チルトンはいったいどんなドライバーなのだろうか?
まだ21歳の若さのチルトンは、今季は終盤の6戦でマルシャのリザーブドライバーを務める一方、マルシャ・カーリンから参戦したGP2シリーズでは2勝。F1デビューに向けて速さをアピールしてきた。一方で、GP2時代にもマシンにロゴが描かれていたとおり、チルトンの父親であるグラハム・チルトンは、世界最大規模の保険グループのひとつである、エーオンの副会長を務めている。
香川真司が所属するサッカー・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドのユニフォームスポンサーも務めるエーオンは、2011年の総収入が112.8億ドル(約9400億円)を誇る超巨大企業。その副会長であるグラハムもミリオネアであり、カーリン・モータースポーツへの出資を行うなど、熱狂的なモータースポーツファンとして知られる。
その息子であるマックスは、カートなどを経てイギリスF3にステップアップ。3シーズンめの09年にランキング4位となり、10年からはGP2に参戦。2013年のF1デビューに繋げることとなった。
そんなマックスには兄がいるが、その兄とは、今季WTCC世界ツーリングカー選手権にフォード・フォーカスS2000を駆って参戦したトム・チルトンだ。トムはフォーミュラひと筋のマックスとは対照的にツーリングカーレースに参戦を続けており、2002年にBTCCイギリス・ツーリングカー選手権にデビュー。ホンダ・シビックやボクスホールなどを駆り、毎年のように勝利を挙げてきた。
そんなトムは、2009年にアリーナ・モータースポーツに合流。チーム名も『チーム・エーオン』とし、フォーカスでBTCC参戦。チームは今季からWTCCにスイッチし、トムも世界戦デビューを果たした。
来季、マックスがF1にデビューすることにより、兄弟がそれぞれ世界選手権を戦うことになる。父親のグラハムも鼻が高いところだろう。しかし、兄弟にとってその実力が試されるのはこれからだ。