2015オートバックス全日本カート選手権
KFシリーズ第1戦/第2戦
開催場所:ツインリンクもてぎ北ショートコース
開催日:4月4〜5日
コース:ツインリンクもてぎ北ショートコース
●天候:雨 ●路面状況:ウェット ●参加台数:KF=23台
2015年オートバックス全日本カート選手権KF部門の開幕戦が、4月4日5日の2日間、栃木県のツインリンクもてぎ北ショートコースで開催された。
全日本カート選手権のトップカテゴリーであるKFクラスは、シャシー、エンジン、タイヤそれぞれでメーカー同士の戦いが繰り広げられるクラス。特にタイヤは、ここ数年ダンロップ、ブリヂストン、ヨコハマの3社がスペシャルコンパウンドのハイグリップタイヤを供給し、タイヤ戦争と呼ばれる戦いを繰り広げている。今季もそのタイヤ戦争に大きな注目が集まる。
開幕戦には23人がエントリー。昨年のチャンピオンの宮田莉朋(EXPRIT・TM・DL)も残留。さらに朝日ターボ(EXPRIT・TM・DL)、阪口晴南(MAD-CROC・TM・DL)、菅波冬悟(CRG・TM・BS)、大湯都史樹(TONYKART・VORTEX・BS)ら昨年のシングルランカーが軒並み継続参戦し、例年になく経験豊富なメンバーが揃うこととなった。
今大会は東地域開幕戦と併催となったため、土曜日にQP、第1戦の予選ヒートまでを行う2日間開催。土曜日は好天に恵まれドライコンディションだったものの、日曜日は朝から弱い雨が降り、ウェットコンディションとなった。なお、全日本最高峰クラスにおいてウェットコンディションでのレースは、2012年以来、3年ぶりとなる。
[第1戦]三村壮太郎、ヨコハマに記念すべき初優勝をもたらす!
土曜日に行われたクオリファイングプラクティスでは阪口がトップタイムをマーク。2番手には今大会にスポット参戦のベン・ハンリー(MAD-CROC・TM・DL)、3番手に朝日が続く。
続いて行われた予選ヒートでは、阪口が好スタートからレースをリード。しかし、オープニングラップのS字先で阪口がマシントラブルのためストップ。かわってハンリーがトップとなり集団を引っ張っていく。そのハンリーに続いたのが三村壮太郎(MAD-CROC・TM・YH)。
三村は終盤にハンリーの直後まで接近。しかしハンリーも譲らず、予選ヒートはハンリー、三村の順でチェッカーとなった。
明けて日曜日はウェットコンディション。朝の公式練習では三村がトップタイムをマークし、決勝への期待を抱かせる。
決勝はハンリーの好スタートで始まる。そのハンリーに襲いかかったのがルーキーの澤田真治(EXPRIT・TM・DL)。2周目にハンリーをかわしトップに立つと、一気に後続を引き離していく。
一時はそのリードを3秒ほどまで広げた澤田。その澤田を徐々に追い詰めていったのが三村だった。澤田のペースではレースラップが持たないと判断した三村は、中盤以降に澤田のペースが落ちたところを逃さずトップを奪う。その後、後続を引き離した三村が約4秒差をつけてトップチェッカー。自らが開発ドライバーも務めるヨコハマタイヤに、待望のKF初優勝をもたらした。
三村壮太郎/優勝ドライバーのコメント
本当に嬉しいです。まさか雨で勝てるとは思っていませんでした。以前にチャンピオン争いをしたこともありますが、そのときよりもやはり自分で作ってきたタイヤで勝つことは格別でした。まだ午後のレースもあるので、あまり派手には喜べませんが(笑)、午後のレースもこのままがんばりたいと思います。
[第2戦]ベン・ハンリー、最後尾スタートから逆転優勝!
第2戦の予選では、阪口が好スタート。そのまま3周目までトップを守るが、第1戦の優勝で勢いに乗った三村が、3周目にトップを奪い、そのまま後続を引き離していく。ベストタイムもただ一人41秒台に入れるスピードで、2番手を引きはなしトップチェッカー。2連勝に向け、決勝PPを獲得する。
迎えた決勝。2番手スタートのハンリーがエンジンがかからずローリングの隊列から遅れたため、最後尾からのスタートとなる。
ホールショットは三村が獲得。そのまま2番手以下を引き離し独走態勢へと持ち込む。2番手には阪口、3番手に朝日がつけるが、そんなトップグループを上回るペースで順位を上げてきたのが、最後尾スタートのハンリーだった。ハンリーは、10周目には3番手まで浮上。その後も全くペースが衰えず、11周目には2位、19周目にはついにトップの三村も捉えトップに浮上する。その後は一気に三村を突き放したハンリーが、約3秒差を築いてチェッカー。最後尾からの大逆転優勝を決めた。
ベン・ハンリー/優勝ドライバーのコメント
難しいコンディションだったが、その変化にうまく対応することができ、素晴らしいレースとなった。スタートは最後尾だったが、レースに勝つことだけを考えて集中していた。日本のドライバーはレベルも高く拮抗しているため、決して簡単に勝てたわけではない。今日の優勝で、すっかりもてぎのコースが好きになったよ。また日本に来てレースがしたいと思っている。
全日本カート選手権公式サイト
http://www.kart.jp/