8月10日、GTアソシエイションから2013年のスーパーGTのカレンダーが発表され、韓国のコリア・インターナショナル・サーキットでのエキジビション戦の開催が正式に明らかにされたが、直後から日韓関係は急速に冷え込みをみせており、スーパーGT韓国戦への影響が気になるところだ。
スーパーGTの韓国ラウンドは、2011年11月に開催計画が明らかにされたもので、F1韓国グランプリを開催しているヨンナムのコリア・インターナショナル・サーキットで、2013年5月に開催予定。昨年12月にはレースのプロモーターを務めるウ・ミョンホールディングスとの間で、開催へ向けての仮調印式が行われた。
すでに来季のスーパーGTカレンダーも発表され、フェリーでGTマシンをトランスポーターごと運び、陸送でサーキットに向かう計画があるなど、さまざまなアイデアも出されている状況だが、8月中旬から韓国のイ・ミョンバク大統領の竹島訪問や天皇陛下に関する発言等で、日韓関係は急速に冷え込みをみせている。日本政府も対韓政策を見直すなどさまざまな報道がされているが、スーパーGTの2013年韓国エキジビション戦への影響はないのだろうか?
GTアソシエイションの坂東正明代表は韓国開催についてオートスポーツwebの取材に対し、「来月、韓国に行ってくる。対日感情がどうなっているのかを見てくるつもりだ」と韓国訪問の予定を明らかにしてくれた。「対日感情というよりも、日本から韓国に対しての感情……というところもあるのかもしれない。それは尖閣諸島に対してもそう」と坂東代表。
実際に、来季の韓国での開催は東アジア圏におけるスーパーGTの将来の海外戦略においても、重要なステップボードとなる。今季12月には中国のズーハイでエキジビション戦の計画が持ち上がり交渉も進められたが、最終的には開催が断念されている。ひさびさに正式にカレンダーに掲載されることになった韓国戦は、国際関係の影響を受けずに開催したいところだ。
「韓国側は『やる』と言っているけど、政治的なものがある。我々スーパーGTの規模も大きくなっているから、(さまざまな方面に)影響を与えやすくなっている。そのあたりも考慮しなければいけない」と坂東代表は語る。
一方で、尖閣諸島問題では日中関係も冷え込みをみせており、そちらに対する影響も気になるところ。スーパーGTは2013年から開催されるアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)ともコラボレーションすることが決まっているが、「我々とACO(フランス西部自動車クラブ)がコラボしたことにより、中国で(AsLMS)を開催することにどれほどの問題があるかも分からないし、そこも考慮しなければいけない」という。
スーパーGTやフォーミュラ・ニッポンの海外戦については、その国々での事情も関わり、これまで継続して開催されているGTマレーシア戦をのぞいては、計画が浮かんでは消えている状況だ。スーパーGTのアジア戦略が今後どう展開されていくのか、注視していきたいところだ。