カナダGPの金曜日から続いていたマシントラブルが、オーストリアGPの土曜日になって、ようやく終わりを告げた。金曜日の夜にエンジニアとのミーティングで決めた、可夢偉曰く「これまでとは少し違う」セットアップによって、マシンのハンドリングは金曜日よりも向上。午前中のフリー走行3回目で23周を走り込んだ可夢偉は、手応えをつかみながら、午後の予選に臨んだ。

 その予選で、可夢偉はスーパーラップを披露した。レッドブルリンクは、コーナーが9つしかなく、全長も4.326kmと短い。モントリオールの4.361km、ハンガロリンクの4.381kmより短く、モナコの3.340kmに次いで、19戦中2番目に短いサーキットなのだ。そのため、タイムに差が出にくく、今回の予選でも1秒以内に多くのドライバーがひしめき合った。

 だが、逆にそれは僅かなミスでも順位に大きな影響を与えるということを意味する。そして、その「ミスできない」という思いが逆にプレッシャーとなり、ミスを誘発させる。レイアウトだけ見れば簡単に見えるレッドブルリンクだが、攻略するのは決して容易ではなく、予選では多くのミスが実際に見られた。

 その中で、自分自身「今シーズンのベストかもしれない」というアタックを見せた可夢偉。予選20位ながら、ここ数戦好調だったマルシャ勢の1台を上回った。ケータハムが予選のタイムでマルシャを上回ったのは、第4戦中国GP以来のことだった。

 実は今回、可夢偉に予選で負けたマックス・チルトン(マルシャ)は、各セクターのベストタイムだけを並べると、可夢偉を上回っていた。

【マックス・チルトン】
セクター1:17.545、セクター2:31.519、セクター3:22.486 合計:1分11秒550

【小林可夢偉】
セクター1:17.611、セクター2:31.449、セクター3:22.613 合計:1分11秒673

 しかし、結果は可夢偉が1分11秒673で、チルトンは1分11秒775だった。つまり可夢偉は、ベスト区間タイムを1つのラップで3つそろえて出したのに対して、チルトンはベスト区間タイムを3つそろえることができなかったからだ。

 レッドブルリンクは決して難しいコースではない。しかし、ドライバーの腕の差が出やすいサーキットなのかもしれない。

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