F1第15戦シンガポールGPの予選が25日に行われ、フェラーリのフェルナンド・アロンソが2戦連続となるポールポジションを獲得した。BMWザウバーの小林可夢偉は見事な走りでQ3に進み、決勝の10番グリッドを手に入れた。

　セミウエットのなか行われた3回目のフリー走行終了からおよそ2時間、現地時間午後10時からの予選も路面は一部濡れた状況のなかでスタートすることになった。気温は29度、路面温度は28度となっている。

Q1
　20分のQ1が始まるとフォース・インディアのマシンを先頭に各車コースへと向かい、上位勢のマシンもすぐに続いていく。セッションは早くもマクラーレン、フェラーリ、レッドブルの3強がトップタイムを奪い合い、まずはセバスチャン・ベッテルが1分46秒960というタイムでトップに躍り出る。2、3番手にはアロンソとマーク・ウエーバーが続いている。

　開始10分、ここでフェラーリのフェリペ・マッサがターン8でストップし、マシンを降りてしまう。エンジンに異常をきたしたマッサはノータイムのまま早くも予選を終えるかたちとなり、セッションもマシン撤去のために赤旗が出された。

　およそ5分の中断の後、セッションは10分を残して再開。ここではそれまでノックアウトゾーンにいたウイリアムズ勢が揃ってタイムを上げる。また終始Q2進出圏内をキープしていたザウザー勢も小林可夢偉が15番手、今季初の予選となるニック・ハイドフェルドも13番手と可夢偉を上回るタイムでQ2進出を決めた。このQ1では、終盤ベッテルのタイムを上回ったアロンソが1分46秒541というタイムでトップとなった。

Q2
　17台でスタートしたQ2も序盤から激しいタイム合戦が繰り広げられるなか、開始から間もなくしてベッテルが1分46秒485をマークしてトップに立つ。その直後、10番手につけていたルノーのビタリー・ペトロフが濡れた路面で姿勢を乱し、ターン5のウォールにヒット、サスペンションにダメージを負ってしまう。

　残り10分を切ったところでマクラーレンのルイス・ハミルトンが46秒042を叩き出しベッテルからトップを奪うと、チームメイトのジェンソン・バトンも3番手にポジションを上げてくる。

　セッションは残り3分からほぼ全車がオプションのスーパーソフトタイヤを履いて最後のアタックに出る。するとここでもベッテルとアロンソがトップ争いを繰り広げ、今度は45秒561をマークしたベッテルがトップでQ3進出を果たす。2番手はアロンソ、3番手にはウエーバーがつけた。

　一方、トップ10をかけた争いは白熱。ここで主役に躍り出たのはザウバーの可夢偉で、ライバルを前に9番手タイムをマークするとミハエル・シューマッハーには9番手を奪われるも、今回好調のハイミ・アルグエルスアリとニコ・ヒュルケンベルグの挑戦を退け、最後もチームメイトのニック・ハイドフェルドを寄せつけずに見事10番手でQ3進出を決めた。

Q3
　決勝のグリッドを決するQ3の争いはタイトルを争う5人が手に汗握る戦いを見せた。まず序盤のタイムアタックでアロンソが1分45秒390をマークし、ハミルトン、ウエーバーというオーダーで終盤2回目のアタックを迎える。

　1ラップ勝負となった最後の争いでは、ベッテルが途中までアロンソを上回るタイムをマークしていたが、セクター2でほんのわずかに遅れると、最後もコンマ1秒届かずフィニッシュラインを通過、悔しい2番手に終わる。
　一方、直後にチェッカーを受けたアロンソはタイム更新こそならなかったものの、マクラーレン勢のアタックも退け、イタリアGPに続く2戦連続、通算では20回目となるポールポジションを手に入れた。

　タイトルリーダーのウエーバーは最後にバトンにもアウトクオリファイされ5番手。3列目スタートとなったウエーバーは、マクラーレンの2台に前を塞がれるかたちとなった。
　また、今季4度目のQ3に臨んだ可夢偉はポジションこそ上げることはできなかったが、1分47秒884というタイムで堂々の10番手。初挑戦の市街地コースでその実力を見せつけた。